金武中城(きんなかぐすく)港
(特定港、開港、検疫港、出入国港、重要港湾)
(海図228A、228B、239、241、水路参考図H-204)
沖縄島南東岸の国頭郡、石川市、具志川市、沖縄市、中頭郡及び島尻郡にまたがる広大な水域を有する港である。
沖縄県における原油及び石油製品(専用貨物)のすべてを取り扱っており、多数の大型船のシーバース・桟橋などがあるが、ほとんど石油会社の専用施設である。
ここでは、中城湾地区と金武湾地区とに分けて記載する。
その他
中城海上保安署(別掲)
沖縄地区税関平安座出張所(TEL098-977-8558)
沖縄地区税関西原出張所(TEL098-977-8558)
那覇検疫所金武・中城出張所(那覇検疫所TEL098-868-8037に連絡)
福岡入国管理局那覇支局嘉手納出張所(TEL098-938-1177)
金武(きん)湾地区
(海図228A、水路参考図H-204)
金武中城港の北半分を占める開湾。北は金武岬に、南は勝連半島から北東へ連なる島々によって遮へいされ外海からの波浪を防いでいる。
湾奥部まで適度な水深があるので大型船の入港に適し、原油配分基地、火力発電所等が建設されている。
勝連埼基部北東側に照間漁港、宮城島南部に桃原漁港、同北部に池味漁港がある。
気象
風向は年間を通じて北〜南東が卓越し、湾口部の波浪は波高1.5m以下が95%を占め、1m以下が約71%である。
潮流
湾口中央部付近では上げ(下げ)潮流は西(東)方へ流れ、流速は0.5kn程度である。
針路法
港口から港奥へは、金武中城指向灯の白光内を進めば、険礁を避けることができる。
なお、水路の両側には数個の灯浮標がある。
錨地
この湾内には、北岸沖の水深25m、底質泥のところで、南寄り以外の風を防ぐ良い錨地が得られる。
立入禁止
天願桟橋及びその付近は、米軍への提供水域となっており、一般船舶の立入りが禁止又は制限されている。
中城(なかぐすく)湾地区
(海図228A、水路参考図H-204)
金武中城港の南半分を占める広く大きな開湾で、港奥に行くにつれしだいに浅くなっている。湾浜の前面及び小島の周囲には洗岩や暗礁などがあり、錨泊の妨げになっている。
湾内の北部に中城新港が、南西部に与那原湾の支湾があり、勝連埼の北西側に米軍専用のホワイトビーチ軍港(通称)が、与那原湾の南部には馬天港がそれぞれある。
与那原湾奥部にマリンタウンプロジェクトで、マリーナを整備する計画がある。
この湾の入り口は、南から久高口、二ツ口、津堅口及び浜比嘉口があり、その主な入口は二ツ口である。
気象
風向は年間を通じて北〜東が卓越し、湾口部の波浪は2m以下が90%を占め、1.5m以下が約73%である。
潮流
久高口では、上げ(下げ)潮流は北西(南東)方へ流れ、流速は1.1kn(1.4kn)、二ツ口では、上げ(下げ)潮流は西(東)方へ流れ、流速は0.3〜0.8kn、津堅口では、上げ(下げ)潮流は北西(南東)方へ流れ、流速は0.4〜0.6kn、浜比嘉口では1knに達する。
湾口中央部付近では上げ(下げ)潮流は西(東)方へ流れ、流速は5kn程度である。
錨地
夏季には与那原湾、冬季には湾北部が、風向、水深、底質ともに良く、錨泊及び避泊地に適している。
注意
この湾の中央部付近では、東北東〜東南東の風が2、3日連吹すると大きなうねりが港内に侵入し、陸岸との交通が途絶することがある。
補給
水及び燃料油の補給ができる。
廃油処理施設
各石油会社に廃油処理施設がある。
アクセス
久高島及び津堅島の間に定期旅客船便がある。
その他
中城海上保安署(別掲)
沖縄地区税関西原出張所(TEL098-945-3333)