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浅田教授は議論を総括されるとともに、同教授の監修のもとでMIRCが作成している海底地形ウォークスルー動画を紹介された。討議内容は、海洋底構造の研究から、津波・高潮などの自然災害や漁場形成などの実用面に至る幅広いものであったが、それぞれ立場から詳細な海底情報・地形図が極めて重要であることが強調された。

 

2. 海洋データ・情報に関連した国際シンポジウムの後援・共催

MIRCでは、2000年10月18〜21日につくばで開かれた北太平洋での二酸化炭素データ・シンセシスに関するシンポジウム(Symposium on North Pacific CO2 Data Synthesis)(PICES・科学技術庁・国立環境研究所・MIRCが共催)に積極的に参加し、外国人研究者の招聘等にも実質的な協力を行った。海洋中の二酸化炭素の問題は、地球温暖化等の気候変動に関連して緊急な研究課題であるが、そのデータの総合化等の問題で多くの課題を抱えている。現在PICES(北太平洋海洋科学機構:North Pacific Marine Science Organization)では、「北太平洋における二酸化炭素」ワーキング・グループ(WG13)を組織して、この問題に取り組んでいるが、より広い検討の場を持っため、この問題の活動家・活動機関と共同してこのシンポジウムが開催された。最近海洋中の二酸化炭素関連の計測法が著しく発展しつつあるが、種々の分析法の間でのインターキャリブレーション(相互比較)もようやく軌道にのりつつあり、データの総合化が実行に移されようとしている。このような背景の下にこのシンポジウムは非常に成功したと言えるが、さらに実効を上げるために引き続いて種々の検討集会が計画されている。

このシンポジウムに引き続いて、PICESの第9回総会が函館において11月20日から28日にかけて開催された。MIRCとしては、特にそのデータと情報の交換に関する特別技術委員会(TCODE/PICES)を中心に参加したが、ここでも外国人の招聘等について若干の後援を行った。

 

3. MIRCホームページ

MIRCでは、事業やサービスの内容、各種のデータプロダクトの紹介や、海洋知識の普及啓蒙活動の一環としてホームページ(http://www.MIRC.jha.or.jp/)を開設している。2000年1月現在の、その目次および主要製品一覧をそれぞれ図2および図3に示す。内容の更新や項目の追加等については、適宜実行しており、是非利用して頂きたいと考える次第である。また、若干の情報をホームページから、あるいはi-modeあるいはj-modeでon-lineで提供する試み(図4)も開始している。

 

4. 海洋情報提供事業

MIRCのサービス部門である「海洋情報室」は、MIRCの設立よりも早く、1990年4月に開設されており、JODCが管理する海洋情報・データを民間機関・個人向けに提供する業務を行ってきた。

 

 

 

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