c. 伝達関数Sの計算(図2-9参照)
上記A及びBで作成した水深及び重力の1分×1分格子点データから各Nettleton格子点(0.5度×0.5度)毎に探索半径55.0km内のデータを抽出し、伝達関数S=σ_h/σ_gを計算した。ここでσはそれぞれ観測水深バンドパス波長成分、重力異常バンドパス波長成分の標準偏差である。(注:昨年度の本研究では1度×0.5度、探索半径は55.5km。一方、Smith and Sandwell (1994)では2.5度×1.25度、探索半径は135km。また、昨年度の本研究及びSmith & Sandwell (1994)ではデータ数が少なく正規分布とみなせないことを考慮してσは標準偏差の代わりに重み付き中央値の絶対値を用いた。)処理は主にC言語プログラムで行った。
次に、得られたNettleton格子点でのSの値をGMTのsurfaceコマンドにより領域全体の1分×1分格子点へ(tension=1で)補間した。
注:
Smith & Sandwell (1994)の手法に従い、
・水深と重力の相関はノンパラメトリック統計処理とみなし、ケンドールの順位相関係数τを導入した。
・ヌル仮説の棄却信頼度を計算し、95%の信頼度で相関があると判断された点でのみSを計算した。
モデル海域(G1806)での結果を図2-38に示す。