(4) 長波長海底面への投影の準備のため、上記(3)の結果を入力として海水面(深さ0m)から1000m毎に重力データのバンドパスフイルター処理と下方接続を行った。(図2-8手順2-2)水深データ加工時同様、GMTのgrdfftコマンドを改良してSmith and Sandwell (1994)の式(10)及び(11)を参考にバンドパスフィルターを作成し、grdfft2としてGMTに組み込んだ。海水面(深さ0m)において波長10km及び160kmで振幅が0.5になるようパラメータを設定して用いた。grdfft2には深さ依存性を持たせ、下方接続が深くなるほど短波長の振幅を抑制した。(昨年度まではGMTのgrdfftコマンドにより単純なコサインフィルターを用い、深さ依存性も省略していたが、Smith and Sandwell (1994)の手法をより正確に踏襲するために変更した。)範囲内の最深点に合せ、0m、1000m、...、6000mの7ファイルを作成した。
%grdfft2$1-G$2-W30000/9500/1000.0-M-V
$1:入力grdファイル(GMT用フォーマットのバイナリ形式)
$2:出力grdファイル(GMT用フォーマットのバイナリ形式)
-W30000/9500/1000.0:Smith and Sandwell (1994)の式(10)中のパラメータsとして30000[m](=30km)、式(11)中のパラメータAとして9500[km]、dとして1000[m](=1[km])を指定。s及びAの値はSmith and Sandwell (1994)に準拠。dは下方接続する深さとして指定するパラメータ。
注:Smith and Sandwell (1994)の式(10)については水深データ加工時のロウパスフィルターの項参照。
Smith and Sandwell (1994)の式(11)は下記の通り。
W(k)={1+Ak4exp[4*π*k*d]}-1
ここで、k:波数、A:係数(9500[km4])d:基準水深(下方接続深さ)
例:W(k)=0.5になる波長は、
d=0m(海水面) 1/k=波長=9.87km
d=2000m 1/k=波長=15km
d=4000m 1/k=波長=20km
d=6000m 1/k=波長=25km
モデル海域(G1806)での結果を図2-28〜36示す。