3) 補間した残差Rを予測水深に埋め戻し補正予測水深Brとする。
[補正予測水深Br]=[予測水深Bp]-[残差スプライン補間R]
B. 伝達関数Sの周波数依存性について
本研究で用いている伝達関数Sは本質的には周波数依存性を持つことが推測される。この点について確認するため、船舶観測重力とSandwellらの研究グループが公開している重力異常1分メッシュ、同じく2分メッシュのパワースペクトルを比較した。(図2-16、17)船舶観測重力はMGD77に掲載されているものを用いた。具体的には、2.4.1で品質管理を行った観測水深点と同じレコードでフリーエア異常も記載されているものをG1806の範囲で抽出した。パワースペクトルの算出にはGMTのgrdfftコマンドを用いた。
衛星アルチメトリに基づくフリーエア異常のパワースペクトルは波長10km付近で船舶観測から算出されたフリーエア異常より顕著に低下する傾向がみられる。船舶観測の水深と重力のパワースペクトルの関係からSandwellらの研究グループが公開している重力異常データを補正できる可能性がある。