日本財団 図書館


船漕ぎ競争

奄美本島を中心に奄美諸島の多くでも、現在は「船漕ぎ競争」と呼ばれている。古くは「浜下り」「浜下れ」と呼ばれる旧暦5月4日の住民行事だったようであり、奄美本島の大和村や住用村などにわずかに残っている程度だ。現在では「浜下り」行事の際に行われた船漕ぎ競争が、ほぼ市町村単位にまとまって、年回のイベント行事になっている。

船漕ぎ競争では、漕ぎ手は進行方向に向かって前向きに座って櫂(短い櫂)で漕ぐ。舵はなく、ハーリー同様、最後部左舷の漕ぐ手が方向を決めたり、船を180度回転させるときに役割を果たす。その限りではハーリーとよくにているが、船に沖縄のサバニでなく、奄美改良型のアイノコを使うところが違う。ただ瀬戸内町だけは現在もイタツケという奄美独特の船を現在もつかっている。乗り手は、漕ぎ手が6人、笛吹が1人、漕ぎ手と同じ櫂をもってする舵取りが1人の合計8人である。この地域でも競漕用の船がどんどんFRPに変わっていく。

 

147-1.gif

147-2.gif

 

ドラゴンボート(カヌー)

ドラゴンボート・レースあるいはドラゴンカヌー・レースまたは龍舟競漕と呼ばれる船競漕は中国を強く意識したスポーツ色の濃い競漕である。ペーロンやハーリーももともと中国から伝来したという考えが強いので、この競技を台湾、中国、東南アジアさらに世界へ繋げていこうと活発な大会を繰り広げている。

日本龍舟協会の規定によれば、ドラゴンボートは全長14.4m、漕ぎ手20人、舵取り1人(長い櫂をもつ)、太鼓1人、艇長1人の23人乗りで競う。

 

147-3.gif

147-4.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION