マッカ持ちは舳先にマッカを立てる。神事の後、2隻は左右に別れてゆっくり宮灘へ向かう。そして湾内を巡って50m手前の所で合流し「ヤーヤ、ヤーヤ」とかけ声で一斉に競漕をはじめる。2隻が舟着場に到着するとお互いが一斉に水をかけあう。こうした競漕を数回繰り返す。2回目の着船のときにマッカ持ちはマッカを抜き取り駆け上がって随神門まで持っていく。その昔は競走したという。
マッカ持ちが帰舟すると、舟を回して艫着けにする。2隻が再び並んで国譲りに因んだ神事が行われ、再び、湾内を大きく巡回して競漕すること3回、行事は終了する。
6] 龍神祭
・島根県簸川郡大社町杵築
・旧1月14日(昭和初期まで)
・杵築地区
・木造船2隻の和船による競漕
★当地では舟競漕をオシッコといった。1つの地区の漁師がオシッコ舟で双方2、30人ずつ乗り、納めものとして笹竹に五色幣をつけ、下に錘として石を着けたものを積んだ。別にサイロ舟といって舵を2艇積んだ舟を1隻沖の方へ出しておき、これに向かって海岸の南北からオシッコ舟が漕ぎだし、途中で納めものを海に沈め、サイロ舟に到着すると、サイロ舟から双方の舟にそれぞれ舵をわたす。それを受け取るや2隻の舟はその舵を艫にさし、浜辺に向かって漕ぎだす。勝敗が決まると、その勝ち舟によって、その年の魚向きが決まる。舟競漕は機械舟に変わる頃にはなくなってしまった。『大社町誌』より
7] 江の川大蛇艇競漕
・島根県江津市江川橋付近
・8月中旬
・江の川祭実行委員会 TEL0855-52-2268
・グラスファイバー船6隻のペーロン舟による競漕 小櫂8丁 大櫂1丁 大鼓
★江津市の夏祭り行事。舟に龍頭・龍尾をつけ、龍舟に見立てる。江の川の河口で行われる。往復400m。
8] カンコ漕ぎ競争
・島根県隠岐郡知夫村
・7月中旬
・知夫村活性化協議会
・グラスファイバー船カンコ舟による競漕
★子どもたちに当地に伝わるカンコ舟に乗って当時を経験させる。
9] みかど祭
・島根県隠岐郡西ノ島町
・9月下旬(祭がはじまった平成6、7年まで)
・みかど祭実行委員会
・グラスファイバー船2隻の和船による競漕