舶用AIS
− 自船のデータを他船及びVTS局に連続的に発信する、
− 地船及びVTS局のデータを連続的に受信する、そして
− このデータを表示する。
適当なグラフィック表示器を利用すれば、舶用AISでは、相手船から発信された位置情報から最接近地点(CPA)及び最接近地点までの時間(TCPA)を計算することにより、衝突の危険性の情報を迅速、自動的そして正確に提供することが可能になる。
AISは第1次的には2つの専用VHFチャンネルで運用される。これらのチャンネルが利用できない地域では、AISは指定された代替チャンネルに自動的に切り替えることが出来る。
実際には非常に多数の船舶を同時に取り扱うことが出来、システムの容量は無制限である。
AISでは、屈曲部の向こう側や島の後背部を、島が余り高くなければ、「見る」ことが可能である。アンテナの高さによるが、海上における代表的な有効距離は20から30海里である。中継局があれば、船舶もVTS局も有効範囲を拡大することができる。
運用している舶用AISからの情報は、当直士官が何ら介入することなく、又知識がなくとも、連続的かつ自動的に発信される。AIS陸上局が特定の船舶からの情報の更新を求める、或いは、一定海域内の全船舶を「順次呼び出し」を行いたいとすることがあるかも知れない。
3.2 構成部品
一般的に、船上のAISは次のものにより構成される。(図2参照)
− アンテナ
− VHF送信機 1台
− 多チャンネルVHF受信機 2台
− チャンネル管理のためのチャンネル70 VHF受信機 1台
− 中央処理装置(CPU)
− 電子位置測定システム、時刻同期及び余剰位置のための全世界航行衛星システムGNSS受信機
− 船首並びに速度の測定装置、及び他の船上センサーとのインターフェース
− レーダー/自動レーダー追跡支援(ARPA)、電子海図システム/電子海図表示及び情報システム(ECS/ECDIS)、及び統合航法システムとのインターフェース
− BIIT(内蔵インテグリティ試験)
− データの入力及び検索のための小型表示器とキーボード