AIS 8/2/9
付属書 1
舶用自動識別システム(AIS)の船上における使用についての指針(案)
1 本書の目的
本書の目的は、船舶に搭載した舶用自動識別システム(AIS)を、最も効率的に使用出来るようにし、信頼性を正当化することにある。この指針は特に海運関係者に対し、AISについての知識を与え、船橋で何時、どのようにすれば安全にAISを利用できるかを解説するために書かれたものである。
AISはこれらの指針を念頭に置いて運用されるべきである。
AIS機器は多数の製造業者から入手可能であり、応用ソフトウェアも多数ある。
利用者は、システムと表示されたデータを航行安全のために有効に利用できるように、AISをよく理解しておくべきである。ただし、本書によって「船舶固有の機器」及び製造者の説明書には精通しなくとも良いとするものではない。
注意
当直士官(OOW)は、他船、特にレジャーボート、漁船、軍艦、それにVTSを含めて海岸陸上局にはAISが装備されていないかも知れない、ということを常に念頭に置くべきである。
当直士官(OOW)は、義務設備としてAISを搭載している他船であっても、船長の判断によってAISの電源が切られているかも知れない、ということを常に念頭に置くべきである。
SOLAS規則V/19によるAISの設置義務については付属書1に示されるとおりである。
2 AISの目的
AISを適切に使用すれば、海上における人命の安全、航行の安全と効率、そして海洋環境の保護の強化に貢献することになる。
SOLAS第V章、規則19案によれば、
「AISは、
− 適切な機器を装備した陸上局、他船、及び航空機に対し、船舶個有データ、船種、位置、針路、速力、航行状態、その他の安全に関する事項などの情報を自動的に提供する、
− このような情報を同様な装備をした船舶から自動的に受信する、
− 船舶を監視し、追尾する、
− 陸上局とデータを交換する。」
ことが出来なければならない。