1. はじめに
我が国の外航海運は厳しい国際経済環境の下で、国際競争に生き残るためさまざまな施策が講じられ、外国人船員との混乗化の進むなかで、平成8年度には国際船舶制度が導入され、平成11年度末には日本人船長・機関長2名体制の外航船の運航も開始されている。
このような少数の日本人管理職により運航される船舶の航行の安全を確保するためには、運航技術を中心とした適切な情報管理・支援が重要であり、それは管理職の資質向上のためにも不可欠なものである。
そのため当協会では、平成9年度、10年度と「情報管理・支援システム」の調査研究を実施し、その結果幾つかの課題が提起された。また、これと平行して平成11年度には(財)日本海洋振興会の補助を受け、関係団体が所有する海技関係情報の電子化を行い「CD-ROM試作品」の提供を行った。
平成12年度には、過去の2年度に亘る調査研究の結果とCD-ROM試作品に対するアンケート調査の結果等を踏まえて、外国人船員との混乗船舶における異文化に係わる生活及び技術移転上の問題点、機関故障例等に関する静的海技情報をCD-ROMに収録し日本籍外航船舶等に配布することを目標として、少数の日本人海技者が必要な時に、より簡便に、より迅速に懸案事項に到達できるよう委員会及び部会において調査検討を行った。本報告書はその調査検討結果をとりまとめたものである。
本調査検討の実施に当たり、ご参加を賜わった委員会・部会の各委員並びにアンケート調査にご協力を頂いた関係各位に厚く御礼申上げる次第である。
平成13年3月
財団法人 日本海技協会
会長 三隅田良吉