(3) 地域別・国別受注について
1] 地域別受注額については、例年どおり、アジア地域がトップであり、全受注額の62.0%を占めている。
2] 国別受注額上位10カ国は、8位のペルー、9位のガーナを除いて、インドネシア、フィリピン、ヴィエトナム、マレーシア、タイ、スリランカ、中国、カンボディアの順でアジア地域が占め、この8カ国で全受注額の53.5%を占めている。
インドネシアは81.5億円で3年連続の1位。前年度5位のフィリピンが対前年度29.0億円増の68.2億円で2位、前年度2位のヴィエトナムは対前年度20.3億円減の53.5億円で3位になった。円借款受け入れを再開したマレーシアは前年度2.7億円(47位)から41.1億円で4位になったことが注目される。
インドネシアよりの受注額の内、58.2億円(71.4%)はJBIC関連である。
フィリピンよりの受注額の内、54.4億円(79.8%)はJBIC関連であり、中部ルソン灌漑事業の12.0億円(業務期間5年)、アグノ川洪水防御IIの8.3億円(業務期間5年)等の大口受注が含まれる。
ウィエトナムは、平成10年度に大口の発注がほぼ一巡した模様である。一方、同国のプロジェクト消化能力にも問題があるといわれている。
マレーシアよりの受注には、TJPSポートディクソン再開発20.1億円(円借款案件、業務期間5年)、サラワク大学建設計画7.9億円(円借款案件、業務期間2年)等の大口受注が含まれる。
タイよりの受注には、28.0億円の第2バンコック国際空港建設工事(円借款案件、PM、業務期間6年)の大口受注が含まれる。
ガーナは前年度5.4億円(25位)であったが、アクラ―ヤモランサ道路改良計画10.5億円(円借款案件、業務期間4年)という大口受注のため、9位に入っている。
(4) 今後の見通しと課題についての考察
1] 近年の国内建設需要の低迷から、コンサルティング企業は海外業務受注に一層努力するものと思われるが、海外受注額の90%以上をODA関連に依存している日本コンサルタントにとって、我が国ODA予算がほぼ横ばいであるところから、今後のODA資金によるコンサルタント業務の受注について大幅な増減は予想されない。
2] 日本コンサルタントが活躍している東南アジア地域では、インドネシア、タイ、マレーシアなどが経済危機に直面し、今日、ほぼ回復しつつあるとはいえ、とりわけ、インドネシアの経済回復は時間を要するものとみられ、コンサルタント業務の需要があるプロジェクトヘの円借款供与額は減少するであろう。
3] 核実験を行ったインド、パキスタンヘの新規円借款・無償資金の供与が現在中止されているが、とりわけ両国に対する円借款供与額(平成9年度承諾額)は全体の16%を占めていたところから、平成11年度に引き続きODAコンサルタント市場に相当の影響を与えることになる。
4] アジア経済の回復に向けての新宮澤構想・特別円借款によるプロジェクト(主契約-日本タイド)がスタートすると予定され、コンサルタント業務受注の増加も期待される。
5] このような環境のもとで、日本コンサルティング企業が、今後、海外受注の増大を図るため取り組むべき課題として、次のことが従前以上に重要となるものと考えられる。
●市場の拡大への営業努力と情報収集活動等の強化
-優良案件の発掘・形成
-国際金融機関および外国民間企業の発注するプロジェクトヘの受注努力
-環境保全等、新たなニーズに対応する体制の強化
-PFIプロジェクトヘの参加