◆環境
地下の鉄道路線は環境にほとんど影響を与えないため、環境問題はほとんどが地上あるいは高架式の鉄道によるものである。
◇景観への影響
中国は長い歴史を持つ国であるため、歴史的建造物を守り、高架式鉄道が景観に影響を極力及ぼさないように配慮することが、専門家に課せられた重大な課題である。
◇振動・騒音・電磁波
専門家が注目するその他の問題としては、車両が走行することによって生じる振動・騒音・電磁波がある。公共交通機関の多くは居住地区や市中心部を通過するので、住環境を改善するためには振動・騒音・電磁波を抑えることが重要である。
◆投資と管理
◇地方自治体が唯一の投資主体
公共交通機関の事業には莫大な資金を必要とする。全資金をまかなうのは困難であるが、中国では地方自治体が常に唯一の投資主体である。地方自治体は自己の予算だけを使うのでなく、株式や海外コンソーシアムのような外部からの資金も利用するべきである。
◇運用コストは高い
管理経験が乏しいため、運用コストは常に高レベルになっている。一方、運賃も一般大衆にとっては比較的高い。従って地下鉄会社が運賃をこれ以上引き上げるのも難しい。その結果、路線を建設した後までも地方自治体は運用のために多くの金をつぎ込まねばならず、新しい事業に資金を回すことがままならない。このためシステム全体の建設スピードが遅くなってしまっているのである。
●将来計画
◆国内では
中国国内には人口が100万以上の都市が34あり、そのうち11の都市は人口200万以上である。これらの都市の都市計画によると、約20の都市が都市鉄道の開発計画を持っている。