なお、より高度または幅広い専門技能習得のため、少数の者(毎年、3,4人で航空管制(ATC)、捜索救難(SAR)、空港保安(SEC)等に分かれる)はシンガポール等海外の訓練機関で海外からのスカラーシップ(日本のJICAプログラム等も含む)を得て訓練を受けており、着々と航空交通量増加への対応、サービスレベルの維持向上に努められている。また、ベトナム政府の援助でホーチミンCATCへ、また、タイの援助でバンコクCATCへ訓練生を派遣する場合もある。
(3) 要員養成計画
老朽化し、機能も満足にない航空関連施設の改善は、少量、小規模づつでも進められると考えられ、旧態のままの運用業務から着々と改善させる必要があり、要員養成を計画的に実施することが重要である。海外からの援助に頼ることが最善であると考えられるが、まず、国内法及び制度・体制を整備した上で、きちんとした人材育成計画を策定することが重要である。
必要要員数の確保と同様に、航空管制等周辺の国のサービスレベルに合致させるための、要員養成が図られなければならない。将来的には、航空路管制を独自に実施できるよう施設の整備と合わせ要員の養成も必要になる。航空当局の要請書*にあるように、組織の管理体制の確立が緊要である。
* (当該箇所抜粋) However, all the departments and sections lack objectives, targets, job definitions, man power capability, atlthority and financial resources for essential maintenance.
3.3 ミャンマー国
3.3.1 航空行政
航空行政は、運輸省航空局(Department of Civil Aviation:DCA)で行われており、航空局長(Director General of Civil Aviation)が統括する。また、軍用の航空業務とは切り離されている。航空局には航空保安業務を管理する部署(ATS Divisicn)があるが、航空管制の実施部門としては、南北二つの地域に分かれた地域総括管制官(Regional Air Traffic Contro1 0fficer)の管理下にあって業務が実施されている。
3.3.2 航空輸送システム
(1) 航空輸送システム
航空会社としては、現在、ヤンゴン航空、エアー・マンダレー、ミャンマー航空があり、ミャンマー航空がバンコク等を結ぶ国際線を運航している。ヤンゴン国際空港には、外国航空会社は8社(2000年10月)乗り入れている。
空港の管理運営は、ヤンゴン国際空港では航空会社業務以外は、ターミナルビルの運営を含めDCAが直接行っている。その他の地方空港に関しても、規模が小さいものの同様にDCAによる管理運営下にある。2000年9月に開港した新マンダレー国際空港では、BOT方式によって建設されたものであり、当該空港公社によって管理運営されている。
この空港は4000m滑走路を持ち、国際線対応の近代的な設備を備えた空港であるが、現在、就航する航空会社、路線が未定の状態が続いている。また、ヤンゴンの校外、80km程度北東のハンタワデイに、2004年の完工を目指して新空港を建設中である。