(2) 道路の現状
ヤンゴン市内の道路は、最近の道路改良、拡幅事業により改善されている。これは主に近年、中華人民共和国の経済技術援助により実施されてきたものである。大部分の市内幹線道路は、現在、将来の交通需要に対応できる交通容量を確保できている。しかし、郊外部の幹線道路やタウンシップ内の生活道路では、まだ道路改良が進んでおらず、未舗装道路が多く残されている。
2.3 鉄道交通の現状
ヤンゴン市及びミャンマー国の鉄道は、鉄道交通省下のMyanmar Railwayにより管理運営が行われている。環状線は延長29.5milesで、38の駅がある。環状線はヤンゴン都市圏の通勤交通において重要なサービスを提供している。ヤンゴン市中心部から東の衛星都市North Dagon、South Dagon、Thingungyun、北のShwepyithar、西のBayinaung、Haingthayarとヤンゴン中心部を連絡する。都市市民の50%以上の住民がこれらの衛星都市地域内に居住している。通勤時間帯には、これら衛星都市に住む多くの労働者がバス、環状線鉄道を利用し、ヤンゴン市中心部に通勤する。今日では、バスにより大量の通勤交通に対応するすることは困難な状態になっている。郊外地区の交通の約18%は環状鉄道が担っている。しかしながら、ピーク時間帯には現存の車両のみで対応することは困難な状況になりつつある。
環状線は、7両連結の12編成で、1日146便のサービスを提供している。1車両あたりの定員は70〜80人で、編成あたりでは420人〜560人である。これらの大部分はヤンゴン駅を起終点としている。また環状線全体をサービスするのは、この内38便である。環状線の許容速度は、20miles/hrであり、実際の運行速度は14.75miles/hrである。駅での平均停車時間は1分であり、環状線を1周するのに約2時間40分を要する。環状線の利用者数は、1日約73000人である。最も利用者の多い駅はYangon駅で約6000人、次いでHlawga駅6000人、Insein駅4600人となっている。Hlawga駅、Insein駅は郊外線の拠点駅となっており、マンダレー等からの乗り換え客が多い駅である。