2. ヤンゴン市の概況
2.1 都市開発の概況
(1) 都市の発展と都市構造
ヤンゴン市はYangon川とBago川の合流域にあり、その地域は適度の密度で市街地が広がり、自然と歴史の魅力を持った街である。しかしながら、都市周辺には新たに開発された衛星都市と昔ながらの古い住宅が混在している。CDBとInner Ring地区は、ヤンゴン市の設立当時からの地域である。その後、市街地はOuter Ring地区とOld Suburbs地区へと拡大されていった。市街地の開発・拡大は、さらにInseinからMingaladonのNorthern Suburbs地区へと広がっていった。1988年以降、New Suburbs地区として新しい衛星都市が既成市街地の東、西、北に建設されてきた。South地域に分類されるのは、ヤンゴン川を渡った地域である。ヤンゴン市の都市計画は、1985年に設立されたYCDCが中央政府関係機関と共同で実施している。ミャンマー政府は、1993年にYangon City Structure PlanをUNDPの援助を得て策定している(図2.1参照)。この計画は、現状の開発方針を踏襲する形であるが、詳細は不明である。
(2) 都市人口の推移
ヤンゴン市の人口は、1983年の247万人から1993年には318万人と徐々に増加している。また、2003年の推計値は450万人とさらに人口の集中が予想される。ヤンゴン市全体の人口は過去年率約2%で増加してきた。今後の予測ではそれ以上の高い率で人口増加が進むものと予想している。1980年代に策定された人口計画では2020年には513.6万人、年増加率は約2.4%となると予想している。これをアジアの他の大都市と比較すると、人口の増加率は低い。他の大都市の人口増加率は、1980年時点で3.6%〜6.9%と高い。これらの都市との比較から、ヤンゴン市の人口は政策的に低く抑えられていると言える。