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(4) 港湾

シンガポール港の概況(98年)

 

【1】シンガポール港の概要

シンガポール港は、世界の主要航路の要衝に位置し、世界中のおよそ400の船社(うちコンテナ船社130)により740の港(うちコンテナ港460)と結ばれている。

1998年には、140,922隻(前年比8.1%増)、857.7百万GT(同6.1%増)の船舶が寄港し、総トン数において世界で最も忙しい港としてトップの座を保ち続けている。このうち、コンテナ船が322百万GTで約38%を占め、次いでタンカーが265百万GT、バルクキャリアが126百万GTとなっている。

1998年の海上貨物取扱量は、312.3百万トン(同4.6%減)であった。このうちの約40%は石油ターミナルで取り扱われるバルク・オイルである。また、船舶用燃料は過去最高の1,806万トンを積み込み、シンガポール港は世界最大の燃料油積込み基地としての地位も保持している。

コンテナ取扱量は、15.1百万TEUで、対前年比7.0%の伸びとなり世界一となった。シンガポール港は、1990年に初めて世界一のコンテナ港になり、1992年にその座を香港に譲ったものの、毎年激しい首位争いを展開し、再び香港を抜いてトップの座に就いた。

シンガポール港では、東南アジア地域のハブ港を目指して港湾施設の整備、コンピュータシステムを用いた入出港手続き等の簡略化、港湾サポート機能(船舶修理、燃料・食料等の補給等)の充実等、顧客サービスの向上に努めてきた。この結果、同港で取り扱われるコンテナ貨物の8割程度は周辺諸国へのトランシップ(積み替え)貨物であると言われるまでになっている。一方、マレーシア、タイ等周辺諸国で自国の貨物を自国の港から直接目的地まで輸送しようとする動きが活発化しており、近年、マレーシアのポート・クラン港、タイのレム・チャバン港等におけるコンテナ取扱量の増加率はシンガポール港を上回る伸びを示すなど、域内の港湾との競争も激しくなってきている。

 

<シンガポールの港湾利用状況(1998年実績)>

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