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1999年〜2002年の期間に必要とされる世界の海運業の総投資額は、1,620億ドルになると見積もられており、この中には、既に手持ち工事量となっているもの及び今後の追加発注への投資並びに中古船購入に必要な資金が含まれている。EMEについては、780億ドルで、この4年間の世界の所要投資額の48%にあたる。

 

1.5 世界の海運業の資本源

海運業の主要資本源は、債務、個人投資、公開株式投資及び政府投資の4つである。世界的には、資本源の43%が債務で、57%が投資(全ての形式)であると見られる。

債務は主に、海運業への融資専門部門を持ったおよそ60の商業銀行を通じて供給されている。主要な貸し手のローンのポートフォリオを分析する事によって、商業銀行からの債務額を推定することができる。この額は、1999年1月1日現在で958億ドルと見積もられ、世界の海運業の債務総額の73%に当たる。債務の第二の供給源は、各国の造船業を支援している政府系金融機関である。その融資額は約194億ドルで、世界の債務総額の15%を占める。残りの債務は、債券及びリース市場からのもので、152億ドル、世界の債務総額の12%となっている。

政府投資額は、政府所有船腹の価値評価によって評価できる。1999年1月1日現在の世界の船腹中の政府所有船腹の評価額は306億ドルであり、投資総額の18%を占める。

発行中の全ての海運業の株式の市場価値を分析することによって、株式市場における海運業関連の公開株式投資の評価額が査定できる。1999年1月1日現在で、この額は753億ドルにのぼり、投資総額の44%に当たる。

世界の資本総額から、債務総額、政府投資額及び公開株式投資額を引くことによって、その残りが個人投資額となる。1999年1月1日でこの額は、637億ドル、投資総額の38%と見積もられる。

 

1.6 EME海運業の資本源

上記の海運業の4つの主要資本源は、EME地域の海運業にも当てはめることができる。債務は、同地域で活動している金融機関のみを調査することによって査定できる。政府投資も確認できる。EME地域において管理されている上場企業の市場での資本評価も可能である。地域内の海運業の資本総額から、債務額や政府投資額、公開株式投資額を差し引くことで、EMEの個人投資額が算定できる。

EMEでは、債務は主に、海運業貸付け専門部門を持った約45の商業銀行を通じて供与されている。1999年1月1日現在で、この額は612億ドルと見積もられ、EMEの海運業に供給される債務総額の76%を占めている。第二の債務供給源は、各国の造船業を支援している政府系金融機関で、融資額約137億ドル、EMEの債務総額の17%にあたる。残りは、債券及びリース市場からくるもので、61億ドル、EME債務総額の8%となる。

 

 

 

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