日本財団 図書館


5.4 まとめ

 

(1) 吸着材成形方法の検討および成型体の作成

吸着材を成形し、成形体の基本吸着特性の試験を行うことを目的として、吸着材の成形方法を検討した。成形のための担体としてコージェライト押し出し成型品(SiO2-Al2O3-MgO製)を使用し、吸着剤ハニカムを作成した。

 

(2) ハニカム性能試験評価

作成した吸着剤ハニカムを用いてNO吸着性能試験を行った。SV=3,000h-1程度の実用領域で、低温時に排出される全排出ガスの57%程度を吸着しうる性能を示すことが明らかとなった。

 

(3) 今後の検討課題

現状ではハニカムの性能は十分ではない。したがって今後、バインダーの種類や、ハニカム目開きサイズ、ディッピング方法などさらに性能向上のための作成方法の改良行う予定である。バインダーとしてはシリカ以外にもアルミナやジルコニアのような吸着性能を示すことが期待できる物質を使用することで性能向上が期待できる。

また、吸着剤の場合には表面に固定するだけでは不十分であり、如何に担持重量を増加させるかが重要である。今回用いた方法はCoatingであり、貴金属の様な高価な材料の場合、どぶ漬で薄くコーティングを行うが、成分はポーラスになり、全体を覆う訳ではない。これに対し吸収の様な遅い反応に適用可能なハニカムとしてSolid式が知られている。これは卑金属の様な安価な材料や吸着剤のように量が必要な場合、ハニカムウォールに成分を練り込むことで効率を上げることが可能である。

これらの方法により今後吸着性能向上を図る予定である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION