4.5 まとめ
(1) 共存ガスの影響評価
共存ガス、特にSO2による吸着材の吸着性能への影響評価を行った。共存SO2の影響は、初期における被毒効果は小さく(9%程度)、100%のSO2が吸着される。またH2OとSO2両者が共存すると吸着能力は77%程度に低下する。
SO2はほぼすべて吸着され、酸化反応生成物(SO3)は生成していないが、SO2の吸着力はNOと比較してきわめて強く800℃以上まで脱離しない。また、繰り返し使用するとSO2の吸着により性能は徐々に劣化するため、水洗等の再生方法の検討が必要である。
(2) 「吸着剤−脱硝触媒」2層反応システム
V2O5(1%)/TiO2触媒を調製し、「吸着剤−脱硝触媒」2層反応システムの有効性を検証した結果、吸着剤前段からのアンモニア導入ではNH3酸化によりNOx排出量が増大してしまうが、吸着剤後段からのアンモニア導入によりNOx排出量大幅に低減でき、最大で98%のNOxの除去が達成できた。これらの試験データをまとめて表4.4-1に示す。