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一方、燃料中に含まれる硫黄含有率は、国産A重油の硫黄含有率は最大1.0wt%程度であり、平均0.5%程度と推定されている。(平成10年度「船舶排ガスの地球環境への影響と防止技術の調査」報告書、シップ・アンド・オーシャン財団。)一方、内航向けC重油の硫黄含有率は日本内航海運組合総連合会の調査によると平均2.3wt%程度とされている。

また、東京都環境保全局が東京港湾内に入出港する船舶の所有者に対して行ったヒアリング調査結果によれば油種別の燃料性状は以下の表2.3-10に示す通りであり、平均値は0.67wt%となっている。一般的に燃料中に含まれる硫黄分1%は排ガス中に含まれるSO2濃度では200ppm程度に相当する。したがって、A重油を燃料として用いた場合には、排ガス中におよそ52〜230ppmの範囲(平均134ppm)のSO2が含まれることになる。実際に東京都環境保全局が実施した実測データを以下の表2.3-11に示す。標準的なA重油を用いた場合には120〜130ppm程度のSO2が排ガスが含まれていることが判る。

 

表2.3-10 東京港湾における船舶の燃料性状

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(出典:船舶に係る大気汚染物質排出実態調査、東京都環境保全局 平成3年)

 

表2.3-11 舶用ディーゼル排ガス実測値

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(出典:船舶に係る大気汚染物質排出実態調査、東京都環境保全局 平成3年)

*各エンジンを30分以上稼動させ暖気を行った後に測定。

 

 

 

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