3.3 海の天気は?(高気圧と低気圧、台風、観天望気、言い伝え)
3.3.1 高気圧と低気圧
身のまわりにある窒素(ちっそ)や酸素(さんそ)などの大気には重さがあります。全体で約5千兆トンぐらいあるといわれ、1cm3あたり約1kgという大きな量です。この重さによる圧力を気圧といいます。1気圧は約1013ヘクトパスカルです(以前ミリバールという単位が使われていました)。およそ10m高くなるごとに約1ヘクトパスカル低くなります。富士山の頂上では低地の約67%、ジェット機の飛ぶ10000mの上空では約25%と低くなります。
大気は流れていますから、空気の濃い部分や薄い部分といった密度(みつど:たて、よこ、高さが1cmの大きさの重さ)の差ができ、圧力の差を生じます。圧力の高い部分を「高気圧」、低い部分を「低気圧」と呼びます。ある気圧の大きさより高い部分を高気圧、低い部分を低気圧とよぶのではなく、まわりに比べて高い区域(くいき)を高気圧、低い区域を低気圧とよびます。天気図では地形図で見られる等高線と同じように、同じ圧力の場所をむすんだ等圧線が書かれています。山の部分(まわりにくらべて高い部分)が高気圧、谷の部分が低気圧に当たります。