付録 2
ヒューマンファクターの質問の領域
以下の質問事項はヒューマンファクターを調査中の調査官の助けとなることをねらったものである。巧みな質問は無関係な質問に調査官を向けなくなり、より重要性があると思われる領域に焦点をあてることができる。
質問を行う順序や方法は被質問者によって違い、又被質問者が自分の行動や個人的印象を説明する自発性や能力によっても異なってくる。また、一人から得た情報を同じ点について他者に質問して立証、クロスチェックあるいは補強することが必要になる。
これらの質問の領域は質問の準備に用いることができる。以下の質問事項は完全なものものではないし、チェックリストとして使うものでもないし、特殊な事故の調査には関係ないものも含まれている。ヒューマンファクターに関わる新たな問題点が出てきたら、調査官は新しい質問の領域を見つける必要がある。:
船内の問題点
1 安全方針
.1 会社には書面による安全に関する方針があるか。
.2 会社内に船側の安全問題を担当する指名された人がいるか。
.3 会社の代理人が直前に船舶を訪問したのはいつか、あるいは直前に会社と連絡したのはいつか。
.4 直前の安全訓練を受けたのはいつか。訓練はどんなもので、どのように行われたか。
.5 直前の緊急操錬(例、火災、離船、船外落下事故、汚染対策等)をしたのはいつか、又操錬中何をしたか。
.6 適正な個人用防護装備を提供されたか、それを使用したか。
.7 事故以前に船内で発生した人身事故を知っているか。