注:前述の日本・運輸省統計との差は主として、1]調査時点の差異、2]韓国側統計が補機を含んでいる、によるものである。また、同統計では企業別・主機補機別、ないし企業別・大きさ別での集計を行っていない。
資料:韓国造船機資材工業協同組合/造船機資材2000
(2) 業界構造と各社概要
韓国の舶用エンジン業界は、従来は、1980年の重化学工業投資調整に基づき、大型エンジン(6,000馬力以上)は、現代重工業、韓国重工業の2社、中型エンジン(400-6,000馬力)は、双竜重工業1社に限定されていた。しかしながら、1995年の参入自由化に伴い、大型エンジンに三星重工業が、中型エンジンに現代重工業がそれぞれ参入した。
1997年末に発生した通貨危機以降、韓国政府は財閥間の重複投資を回避し、個別企業の競争力を高めるために、財閥間で事業の交換を実施する「ビッグディール」政策を押しつつめた(ビッグディールの概要は前述のとおり)。大型エンジン事業もビッグディール政策に基づき、現代重工業、韓国重工業、三星重工業の3社体制から、現代重工業とHSDエンジンの2社体制に集約された。