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4. 調査・研究の成果

舶用推進用減速機用コニカルギヤの強度評価法の確立を目的とし、コニカルギヤの面圧強度および曲げ強度について調査・研究を行った。その主要な成果を要約すると次の通りである。

 

コニカルギヤの面圧強度について

(1) コニカルギヤの面圧強度計算式を、ヘルツの弾性接触理論を用いて作成した。

(2) 動力循環式歯車試験機を設計・製作し、これを用いてコニカルギヤの許容接触応力を歯面耐久試験によって実験的に求めた。

 

コニカルギヤの曲げ強度について

(1) 動力循環式歯車試験機の循環側歯車を用い、静的に負荷トルクを作用させたときの歯元曲げ応力を実測した。

(2) 有限要素法を用い、歯元曲げ応力解析を行った。これにより、最大応力が発生する位置およびかみあい条件を求めた。

(3) (1)、(2)で求めた最大応力発生位置およびかみあい条件において、AGMAのベベルギヤ曲げ応力計算式を適用し、応力計算を行った。その結果が、(1)の実験値および(2)の解析値と一致することを確認した。このことにより、AGMAのベベルギヤ曲げ応力計算式がコニカルギヤに適用できることを確認した。

 

従来の強度評価法と新しい強度評価法の比較

従来方式による強度評価法と新しい強度評価法を比較するため、弊社マリンギアの歯車について、各強度評価法による伝達トルクの計算を行った。その結果を表4に示す。

 

表4 強度評価法による伝達トルクの従来機との比較

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従来方式と新しい強度評価法を比較したところ、歯面面圧強度で28%、歯元曲げ強度で45%増加した。このことにより、新しい強度評価法により、コニカルギヤの強度は約25%向上できると考えられる。

 

 

 

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