2.7 使用航路と航行隻数密度分布
2.7.1 日本に寄港する船舶の使用航路
(1) 船舶(全船種)
図2.7-1は、1997年に日本に寄港した船舶(全船種)が採用したと考えられるすべての航路を網羅したものである。1隻の船舶しか航行しなかった航路も、数百隻の船舶が航行した航路も1本の航路線で示されている。また特定の地点の間は、仕向港及び仕出港が異なる場合であっても、同一の経路を多数の船舶が航行することとなるが、一本の航路船で示されている。この航路図は陸上でいうところの道路網に相当するものである。ほぼ日本周辺海域全域にわたって航路が複雑に錯綜して存在している。
(2) 貨物船
2.7-2は、1997年に日本に寄港した貨物船が採用したと考えられるすべての航路を示したものである。前述のとおり、日本に寄港する船舶の航海数は80%以上が貨物船であり、船舶(全船種)の航路と同様に、ぼぼ日本周辺海域全域にわたって、貨物船の航路が存在している。
(3) タンカー
図2.7-3は、1997年に日本に寄港したタンカー(ケミカルタンカーを含む。)が採用したと考えられるすベての航路を示したものである。日本周辺海域には外航タンカーが寄港する港が少ないため、船舶(全船種)の航路と比べて航路網がシンプルであるが、ほぼ日本周辺海域全域にわたって、タンカーの外航航路が存在している。
(4) ケミカルタンカー
図2.7-4は、1997年に日本に寄港したタンカーのうちケミカルタンカー(呼称:日本寄港ケミカルタンカー)が採用したと考えられるすべての航路を示したものである。タンカー全体の航路と比べて航路網が当然のことながらシンプルとなっている。
(5) 液化ガスタンカー
図2.7-5は、1997年に日本に寄港した液化ガスタンカーが採用したと考えられるすべての航路を示したものである。日本において液化ガスタンカが寄港するのは限られた港であり、船舶(全船種)の航路と比べて、航路網はかなりシンプルであり、ケミカルタンカーよりも航路線が少ない。