2 使用データ等
2.1 使用データ
現在、わが国には港湾統計等の資料は存在するものの、これらの資料は、利用目的が異なるため日本周辺海域における船舶の通航状況を把握するには十分なものではない。
そこで、本調査では以下に示す基礎データをLMIS 社(Lloyd's Maritime Information Service Ltd.)から入手し、それを元にデータベースを作成し解析した。
(LMIS社の概要)
LMIS社は・ロイズ船級協会(Lloyd's Register of Shipping)及びLLP Ltd.*1を親会社として、1986年に設立された。LMIS社は、これら親会社の所有するデータベースをニーズに応じて提供している。
2.2 基礎データ
基礎データは、「動静データ」、「船舶データ」及び「港データ」の3つのデータから構成されている。
2.2.1 日本周辺海域航行船舶
(1) 動静データ
動静データは、世界各国にある1,800のロイズエージェント(LLP Ltd.に密接な関係を持つ代理店組織)から日々報告されたものの中から、下記の調査対象にあわせ抽出したデータである。
調査対象港:
1] ユーラシア大陸のベトナム及びベトナム以北の中国、香港、マカオ、韓国、北朝鮮及びロシアの還太平洋地域の諸港。
2] 日本、台湾及び北緯12度以北のフィリピンの諸港。
3] 北米大陸及び南米大陸の西海岸(米国アラスカからチリ)の諸港。
4] 米国ハワイ諸島の諸港。
調査対象期間:
1997年1月1日〜同年12月31日に上記諸港に寄港した報告
調査対象船舶:
500GT以上の外航船
<データの内容>
・船名(船舶番号)
・寄港地/寄港開始日/寄港終了日
・前寄港地
・次寄港地
*1) ロイズ保険組合の「Lloyd's of London Press」の発行部門がロイズ保険組合と資本を別にして発足した会杜で、現在Lloyd's List等の出版物を扱っている。