日本財団 図書館


ごあいさつ

 

池田市長 倉田薫

 

001-1.gif

 

『ふるさと』という言葉を聞いたとき、多くの人が、里山に囲まれたのどかな農村風景を思い浮かべるのではないでしょうか。自分が生まれ育った場所はそれぞれではあっても、それは日本人に共通する『心のふるさと』であるように思います。

 

つい数十年前まで、私たちの生活は、里山の自然に支えられてきました。しかし現在では、科学技術が進歩し、人の暮らしが変化することによって、生活の糧を里山に求めることがなくなってしまいました。人と里山の関係が、全く変わってしまったのです。

 

だからといって、里山の価値がなくなったわけではありません。身近な自然としての重要性は、以前にも増して高まっており、これからは、子供たちの自然体験の場など市民が活用できる仕組みを整える、自然の生きものたちとの共生の場あるいは緑の都市景観の構成要素として保全するなど、新しい人と里山の関係を作っていくことが求められています。

 

五月山は、市民の里山であり、『心のふるさと』でもあります。そして五月山への愛着は、五月山とのかかわりの体験の中で醸成されていくものと思います。

 

市民を中心に、多くの人がこれからの五月山を考え、自らが行動する『五月山グリーンエコー』の活動は、五月山とのかかわりを深め、新しい里山の活用の仕組みを考える上で、非常に有効なものと考えています。

 

里山の保全と活用は、自然愛好家や土地所有者だけの問題ではなく、私たちみんなの問題であるという視点に立つ必要があるでしょう。そのためにも、本日のシンポジウムが幅広い参加者を得て、大きな成果をあげられることを願ってやみません。

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION