Q31 湖は淡水なのに、なぜ、海は塩水なのですか?
A31 多くの湖は河川とつながっており、上流から河川水が湖に流入します。河川水は雨水を集めたものですから、湖にたまっている水は淡水なのです。海水も河川水が海に溜まったものですから、淡水でもよいように思われるかも知れませんが、実は、流出する方法が河川水と異なっています。湖の水は、主に、河川水か地下水として流出します。その際、水にとけているいろいろな物質も流出します。それに対して、海洋から水が流出するのは、主に水面からの蒸発です。蒸発するのは水だけですから、水にわずかにとけている物質は海洋に蓄積されることになります。多くの物質は海底に沈んで堆積しますが、塩はいつまでも水にとけたままです。そのため、長い年月が立つと、河川水にわずかに含まれていた塩が徐々に海水に蓄積されて、現在の3.5%(35‰:パーミル)の濃度に達したのです。
Q32 潮の満ち引きはなぜ起こるのですか?
A32 多くの海岸では、一日2回、満潮と干潮を繰り返します。海洋全体でみると、波長が1,000kmもあるうねりのような波が常に海面に発生して、海面を移動しています。その波の峰がやってくると、水位が上がって満潮になり、谷にやってくると、水位が下がって干潮になります。この波は、消えることがありません。その理由は、波を立てる原因が常に存在するからです。その原因とは、月と太陽の引力です。地球自身の引力は海水を地球の中心に引き寄せる方向に働くので、波を起こす作用はありません。しかし、月や太陽は、海水の一部を自分のほうに引きつけようとします。その結果、海面が盛り上がり、それが波の原因になります。このような力を起潮力といいます。太陽の引力のほうが月より圧倒的に大きいのですが、太陽の引力は、ほとんど地球の公転に伴う遠心力とつりあっているので、起潮力としては、月のほうが倍くらい大きくなります。
Q33 潮の満ち引きがなければ、海水位は変化しないのですか?
A33 海水位を変化させる原因は、潮汐の他にも、いろいろあります。突発的なものとしては、高潮と津波があります。高潮は、強風によって海水が岸に吹き寄せられて水位が高くなる現象です。台風が日本列島に接近して強い南風が岸に向かって吹き続けるときによく発生します。
津波は、地震によって海底が陥没したり、隆起したり、また、崖崩れによって大量の土砂が海中に入ったような場合、海面に波長の長い波が発生し、それが海岸に打ち寄せる現象です。沖では波高が小さいのに、海岸に近づくと急に波高が高くなるので、非常に危険です。
季節的な水位の変化としては、気温の変化によって、海水が膨張・収縮し、その結果、海水柱の高さが変化して、水位が変化するという現象が起こります。夏は水位が高く、冬は低くなるわけです。
海水全体の量が変化すれば、水位は変化します。地球上の水は海洋、大気、陸地を循環しています。