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Q4 地球の他にも海がある天体はあるのか?

A4 地球の海のようなものは、他の天体にはないものとされてきた。ガリレオが作った望遠鏡で最初に観察した月には、彼が海と名づけた暗い地域がある。この海は、同じ海でも溶岩の流れ出て固まった海である。ガリレオ探査機により、詳しく探査された木星の衛星エウローパの表面は、厚い氷に覆われている。このエウローパも、ガリレオにより発見された4つの衛星のうちの1つである。1980年初頭に観測されたエウローパは、のっぺりした氷に覆われており、クレータは少なかった。縦横に走る割れ目があることが特徴であった。

ガリレオ探査機は、ポイジャーよりもより高解像度の写真を撮り、波長の違う光の反射を記録することができるようになっている。添付したような氷の表面を詳しく観察すると、細かく割れた氷のブロックに残る古い割れ目の模様が、ブロックごとにつながっているように見える。新しくできた割れ目には、潮が噴き出したようなスペクトルが観察された。このような事実をうまく説明するためには、氷の下に塩水を含んだ海があることを認めざるを得ない。何かの原因で氷が小さなブロックに割れても、割れ目にできた海表面はすぐ凍ってしまうと考えられる。計算によると、エウローパ内部はかなり高温となっていると考えられるので、海があっても不思議はない。このようにして、太陽系には地球以外に海があることが明らかになった。

 

Q5 火星に海はあったのだろうか?

A5 火星に生命の発生していた可能性のある隕石が見つかったことと関連して、火星に生命をはぐくむには海の存在が提唱されている。もっとも海があった可能性の高い証拠はまだない。永久凍土が一時的に溶け洪水が起こったことを示す画像はあるが、海の有った直接的証拠ではない。1999年より得られた高解像度写真より、北半球に海のあった可能性が報告された。火星から来た45億年前に出来た隕石と、ヴェスタ及び月から来た隕石を対比し、もし火星に海が在ったら、この火星試料はもっと風化していない事を検証し、火星ではあまり大規模な海はなかったことを推定した。

月には最初から水はなかった。最近、月の南極と北極に氷が発見されたホットニュースがあったが、このことは、月に必ずしも最初から水があったことを示すものではない。月に衝突したコメットの水が、極寒の両極のクレータ底にとらえられたもの。これより月に水をもたらしたコメットが、地球にも水をもたらしたのではないかと推定できる。

 

Q6 将来の小天体探査にはどのような計画があるのか?

A6 これから探査が予定されている計画を列挙すると、次のようなものが有る

Near Earth Asteroid Rendezvous-Asteroid 433 Erosとのランデブー(1998-2000年)

 

 

 

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