V. メコン住血吸虫症と日本住血吸虫症における肝臓・脾臓病変の腹部超音波画像の差異と新しい診断方法への取り組み
大竹英博
松田肇
はじめに:
フィリピン等の日本住血吸虫症とカンボジアのメコン住血吸虫症の比較を実施した昨年の調査に引き続き、今回も獨協医大の熱帯病寄生虫学教室所有のポータブル型超音波診断装置(フクダ電子UF-4000)にコンベックスタイプのプローブ(フクダ電子FUT-C111A 3.5MHz 60R)とプリンター(Sony UP-890MD)を組み合わせて一式とした検査機器を運び込み、昨年同様に空港で他の荷物と共に預けることなく機内持ち込みでカンボジアまでの往復を空輸した。
調査日程と調査数:
5月22日にカンボジア入りした後、5月24日にStung Treng省に到着し、Sdau地区では42名(男21名、女21名)、Koh Sneng地区では61名(男27名、女34名)、Preah Rumkal地区では73名(男36名、女37名)に対し、検査内容の十分な説明の後に現地医療技術者による患者の基礎病歴の聴取を行い、検査に同意したメコン住血吸虫蔓延地区居住者に対し、採血と腹部超音波検査を実施した。5月29日にはKratie省に到着し、Sambok地区25名(男9名、女16名)とSambour地区45名(男20名、女25名)において同様の手続きを踏んで一連の検査が実施された。
調査地および被験者数:
Kratie省
Sambok地区
男性9名 女性16名 合計25名
Sambour地区
男性20名 女性25名 合計45名
Stung Treng省
Koh Sneng地区
男性27名 女性34名 合計61名
Sdau地区
男性21名 女性21名 合計42名
Preah Rumkal地区
男性36名 女性37名 合計73名