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PROGRAM NOTES

 

グリンカ: 歌劇「ルスランとリュドミラノ」序曲

オペラ「ルスランとリュドミュラ」は、ロシア人作曲家グリンカ(1804-1857)の代表作の一つであり、筋書きも音楽もロシアの民俗的な題材によるものである。オペラとして上演されるよりも、陽気で明るいこの序曲のみが単独に演奏されることの方が多い。軽快で華麗な曲想と、よどみなく流れる旋律がこの曲の特徴である。

 

チャイコフスキー: ロココ風の主題による変奏曲 作品33

ロシア人作曲家チャイコフスキー(1840-1893)のこの曲は、チェロの演奏技巧を十分に発揮し、変化に富ぶ曲である。ロココ風とは、フランス・ブルボン王朝のルイ14・15世時代(17世紀中頃から18世紀中頃)の建築や家具の装飾意匠で、貝殻模様や唐草模様の優美な曲線を誇張した様式のこと。この曲も、当時の優美な宮廷雰囲気を表現していると言えるであろう。

 

ラヴェル: チガーヌ

ラヴェル(1875-1937)は、フランスの現代音楽を代表する作曲家のひとりとして知られている。チガーヌとはフランス語でジプシーのこと。この曲はヴァイオリンの技巧を十分に生かした作品で、オーケストラは小さな2管編成。さまざまな高度技巧が織り込まれているこの曲は、ヴァイオリンの名演奏家たちに好まれ、頻繁に演奏されている。

 

モーツアルト: 交響曲第39番 変ホ長調 作品543

モーツアルト(1756-1791)が作曲した「第39番」から「第41番」までの3大交響曲は、モーツアルトの最大傑作といわれている。この3つの交響曲は1788年の夏に1ヶ月半ほどの期間に書きあげられた。リヒャルト・ワグナーは「モーツアルトはこれらの交響曲によって、楽器のもつ“歌う”という表現の可能性を頂点まで高めた」と評したという。クラリネットを軸にする管楽器の扱いもみごとである。

 

 

 

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