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3.4 船体動揺対応技術の研究

SMGTはディーゼル機関並みの燃費を実現するため熱交換器を採用した。このため船舶に搭載した状態での傾斜や加速度の影響についてはガスタービン本体だけでなく、熱交換器、その間の配管、ダクト、およびそれらの支持架台を含めたガスタービンシステム全体について検討を行う必要がある。本年度は陸上運転試験装置の基本形状を元にしてガスタービンシステム全体について解析モデルを作成し、傾斜および加速度条件における変形や応力について解析を実施し評価を行った。

 

(1) 解析モデル

ガスタービン本体、ガスタービンサポート、熱交換器、配管、架台の全体解析モデルを作成した。図3.4-1に解析モデルの外観図を示す。

(2) 傾斜条件での解析結果

前、後、左右の傾斜状態にて解析を行った結果、ガスタービン及び熱交換器の変位量及び応力値はいずれも問題ないレベルであった。図3.4-2に傾斜条件での変形、応力分布の一例を示す。

(3) 加速度条件での解析結果

前・後方向、左右方向、上・下方向の加速度条件において解析を行った結果、ガスタービン及び熱交換器の応力はいずれも問題ないレベルであった。一方、ガスタービンの変位量が前・後方向の場合に少し大きかったがパワータービン側サポートの剛性を高める対策を行った結果、問題ないレベルとなった。

図3.4-2に加速度条件での変形、応力分布の一例を示す。

(4) まとめ

船舶搭載時に想定される傾斜、加速度などの条件下での変形や各部の応力について評価を行った。その結果、応力的に問題となる個所はなかった。一方、加速度条件下でガスタービンの前後移動量が少し大きかったが、対策により問題のないレベルまで下げることができた。今後はガスタービン本体側と熱交換器側との変形、応力のバランスをとりながら船舶搭載に適したサポートの詳細設計を行う。

 

 

 

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