2.2.3 F型パワータービンの研究
a) F型パワータービンの基本設計及び解析
熱効率改善技術の研究の一貫として、定格出力時の性能を重視したF型パワータービンの開発を行う。
設計仕様書に基づき、タービン性能を決定する主要量(軸流速度、周速、仕事量等)を用いてパラメトリックスタディを行い、F型パワータービンの基本仕様と主要寸法を決定した。図2.2.3-1に流路形状、および平均径の速度三角形(マッハ数)を示す。
定格点での高効率を実現する為、タービンの基本仕様は軸流式2段チップシュラウド付きとし、速度三角形はマッハ数レベルの低減とタービン出口旋回角の低減を考慮した。
この速度三角形を基に翼型のパラメータ(基本翼型、ソリディティ等)を決定し、翼形状の詳細設計を行った。
1) 流れ解析
翼の詳細設計をするにあたっては流れ解析の結果を確認しながら行った。図2.2.3-2、3に第1段、第2段動翼の平均径での翼面マッハ数分布を示す。いずれの翼形状も滑らかなマッハ数分布を示していることを確認した。
2) 振動・強度解析
詳細設計により得られた翼形状の振動・強度解析を行った。図2.2.3-4、5に第1段および第2段動翼の振動モード図を、また、強度解析の結果を図2.2.3-6および図2.2.3-7に示す。これらの解析結果から振動、強度共に問題ないレベルにあることを確認した。
さらに、タービンディスクについても詳細形状を検討し強度解析を行い強度的に問題のないレベルにあることを確認した。図2.2.3-8、9にタービンディスクの強度解析結果を示す。
以上の強度解析、および構造検討の結果を反映した全体計画図を図2.2.3.-8に示す。
b) 鋳物素材、鍛造素材の設計・製作
翼の詳細設計結果をもとに鋳物素材図を作成し、素材製作を開始した。第2段動翼の素材写真を図2.2.3-9に示す。
ロータディスクについても、詳細寸法・加工方法・詳細仕様を検討し素材図および製作図を作成し、素材製作を開始した。
