[4] 本事業の成果
(1) 台湾の方々への日本観光宣伝・誘致効果
このたびは、台湾ランタンフェスティバルヘの参加と高雄国際旅行博覧会へ出展した熊本県への協力、台湾旅行業者との意見交換会と、3泊4日の短い日程にもかかわらず、一般大衆、旅行関係者の方々に熊本県・九州地区への観光を精力的にアピールすることが出来た。
台湾ランタンフェスティバルロータリー会場では、開演前より多くの人々(約2,000人)が集まり17:00の開演をいまや遅しと待つという状況で、公演中も九州地区の伝統芸能に見とれていた。保存会・熊本県では観光アピールとして、「日本国熊本県観光宣伝隊」「慶祝2001年台湾燈会」のプラカードをつくり台湾の方々の多くの拍手をいただいた。
高雄国際旅行博覧会オープニングで高森町伝統芸能連絡協議会の太鼓・神楽の披露があり、会場はほとんど満員の中で充分熊本県・九州地区の観光をアピールした。
旅行業者の方々との意見交換会では、「台湾の人は温泉が好き、大自然が好き」という多くの意見が出、改めて、熊本・九州にしかない観光素材を再発掘することが大切との認識を新たにした。
台湾ランタンフェスティバルの公演の様子は、地元のテレビでも流され、多くの台湾の人々に日本地域伝統芸能の素晴らしさをアピールできた。
(2) 相互理解の推進・地域振興への波及と観光資源としての地域伝統芸能の確立
台湾旅行業者との意見交換会の中で、日本側より本年は大阪にユニバーサルスタジオ、東京にディズニーシーがオープンする話を出したところ、台湾の人の感覚は、それらのものは何も日本へ行って見なくても、米国へ行っていわゆる「御本家」を見るほうがよいとのことで、日本側の考え方と台湾側の考え方に違いがあることがわかった。だからこそ、日本特有、日本の各地「そこにしかないもの」としての観光素材の台湾旅行業者への提供が大切であり、地域伝統芸能を「みせる」、外国の方々に「見せる」方法が検討されてもよいのではとの意見もあった。
熊本県高森町では、伝統芸能を楽しんでいる方々が町民人口の約1割といわれている位、伝統芸能のさかんな地区であり、今回の台湾公演は、多くの年齢層の方々にも自信となり、地域の活性化につながるものと考える。特に、今回は教育委員会のはからいで、中学生をメンバーに加えたことは、町が伝統芸能伝承に積極的に力を入れていることを強く感じさせるものであった。