第八回
地域伝統芸能全国フェスティバル
(北海道)
参考資料
地域伝統芸能大賞について
『地域伝統芸能大賞』は多年にわたり、地域伝統芸能等の活用を通じ観光の振興または地域の商工業に顕著な貢献をしたと認められる個人又は団体を表彰することにより、国民の地域伝統芸能の活用に対する認識を高めることを目的に、財団法人地域伝統芸能活用センター(会長 瀬島龍三)が、平成5年に設けたものです。
第八回地域伝統芸能大賞受賞者
第1類(地域伝統芸能の実演に係わる団体又は個人)
白石踊会(岡山県)
第2類(地域伝統芸能を活用した行事の実施主体)
先帝祭上臈参拝行事実行委員会(山口県)
第3類(衣装、用具等の製作、人材等の確保に関わる団体又は個人)
高木虎男(静岡県)
第4類(その他特に顕著な貢献のあったもの)
烏山山あげ保存会(栃木県)
第八回地域伝統芸能大賞受賞者のプロフィール
白石踊(しらいしおどり)会
白石島は岡山県笠岡市の沖合いに浮かぶ大小30余りの島々からなる笠岡諸島のひとつ。国立公園に指定されている周囲約10キロの島には900余りの人々が生活している。
白石踊りは源平の合戦で戦死した人々の霊を弔うために始まったと伝えられる踊りで、もとは回向(えこう)踊りと呼ばれていた。毎年8月14日〜16日の3日間、公民館前の広場で、盆踊りとして伝えられている。
同踊りは口説(くどき)の歌と大太鼓による一曲の音頭に合わせて、男踊・女踊・奴踊・笠踊などそれぞれ異なった振り付け(13種類)と扮装で一つの輪になり渾然一体となって、勇壮活発、豪華絢爛に踊られる。
昭和51年には国の重要無形民俗文化財に指定され、白石踊会が中心となって同踊りの保存と継承に努めている。
なお、7月下旬〜8月上旬の毎土曜日には観光客向けに、夕方から海水浴場の砂浜で披露されている。

住所:岡山県笠岡市
代表者:中川賢次
先帝祭上臈(せんていさいじょうろう)参拝行事実行委員会
先帝祭は寿永4年(1185年)下関市の壇の浦で行われた源平の合戦で入水した安徳幼帝の御霊を慰めるため、上臈に身を落とした平家の女官が命日には身を清め、帝のお墓に参拝したという故事にはじまり毎年5月3日の下関海峡まつりに合わせて実施される。打掛けに太鼓帯の衣装を身にまとった上臈が、稚児、警固、官女、禿を従え、しずしずと参拝する。上臈一行が市内の伊崎町を出発し、赤間神宮まで市内の4ケ所で外八文字という踊を披露する上臈道中がある。
また赤間神宮の境内では上臈らが天橋と呼ばれる花道を渡り、本殿に参拝する神事である上臈参拝が執り行われる。先帝祭は豪華絢爛の中にも、物悲しくも神聖な行事であり、下関市の無形民俗文化財に指定されている。

住所:山口県下関市
代表者:平尾光司
高木虎男氏 西浦(にしうれ)田楽
水窪(みさくぼ)町は静岡県北西部、長野・愛知両県に接する遠州最北端の農林業を中心とする町。旧正月の1月18日〜19日朝にかけて行われる所能山観音堂の農祭りである西浦(にしうれ)田楽(国指定重要無形民俗文化財)は、別当、能頭、能衆と呼ばれる人たちがこの神事に参加する。
宵から夜明けにかけて演じられる地能(33番)、はね能(12番)には、24の仮面が使用される。
高木家は、そもそも僧行基の時代に遡り、享保の時代からは世襲となったこの祭りの別当を今に受け継ぐ。高木虎男氏は、その当主として仮面の補修と伝承に永年携わり、一方では保存会会長として厳しい戒律のもと、10〜20代の若者たちに能衆を受け継がせるなど、西浦(にしうれ)田楽の伝承に尽力している。

住所:静岡県水窪(みさくぼ)町
烏山(からすやま)山あげ保存会
烏山町は栃木県東北部を流れる清流那珂川の自然の恵みを受け、城下町として発展してきた。
戦乱の時代疫病が流行し、時の城主が天下泰平、五穀豊穣、疫病消除を祈願し、烏山城下五町鎮守牛頭天王を仲町十文字に勧請し、奉納余興として相撲や神楽獅子等が行われた。やがて、今日のような絢爛豪華な野外歌舞伎の形態である「山あげ祭」(7月第4週の3日間)となった。
歌舞伎は、常磐津の三味線にのり、町の踊り娘達が所作狂言の美しい舞いを披露する。
舞台背景の山は烏山特産の和紙、竹を材料に、幅8m、奥行100m、高さ10mの巨大野外劇場を作り上げ、その工程には約150人の若衆の一糸乱れぬ団体行動があり、その妙技は目を見張るものがある。
烏山山あげ保存会では、「山あげ」の保護・育成を始め、町民の手による祭事を積極的に支援し、多年にわたって祭典の円滑な運営を行ってきた。

住所:栃木県烏山町
代表者:渡部弘
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