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8月11日(金) 地域伝統芸能公演 常磐公園特設舞台

司会 吉川精一(アナウンサー)

安井まみ子(アナウンサー)

 

フェスティバル2日目の朝は雨が降っていたが、雨は午前中に上がり、午後からはリハーサルが開始された。ところが急にスコールのような雨が降り出し、リハーサルが一時中断させられたが、その後は青空が広がり、予定通りの本番開始の時間を迎えられた。しかしながら、スタッフは濡れた舞台の雑巾掛け、観客用ベンチの拭き取りなどで大忙しであった。

この日の地域伝統芸能公演はまずオープニングに北海道恵山町の恵山太鼓(えさんだいこ)が勇ましい演奏で会場の雰囲気をを盛り上げていった。各地で祖先より伝承されている伝統芸能では北海道小樽市からの小樽松前神楽(おたるまつまえかぐら)が登場し、荘厳な舞を披露した。続いては岩手県北上市からの鬼剣舞(おにけんばい)である。躍動感あふれる鬼の乱舞に観客は圧倒されていた。もう一つ北海道から余市町の余市町正調(よいちちょうせいちょう)ソーラン沖揚げ音頭(おきあおんど)が登場。演技の後の司会者のインタビューでは、音頭取りの方の年令が87歳であることが披露され、その美声と元気さに観客は驚嘆していた。次は日本最南端の沖縄県那覇市から琉球民謡(りゅうきゅうみんよう)・舞踊(ぶよう)である。普段から聞き慣れているものとは一味違った音階や踊りの仕種は、観客の耳と目を引き付け、最後にカチャーシーの歌と踊が始まると、観客も体を揺らしながらそのリズムに酔いしれていた。

開拓者により伝承された伝統芸能ではまず北海道深川市の猩々獅子五段くずし舞(しょうじょうじしごだんくずしまい)が登場した。これは香川県からの開拓者たちによって伝承されてきているものである。次は富山県氷見市からの坂津(さかづ)の獅子舞である。北海道内各地に富山県の獅子舞が数多く伝承されているが、この獅子舞は富山県北西部の氷見市一帯に伝承されているものの基になっているといわれており、また明治41年に北海道岩見沢市大願町へ伝えたという記録も残っているものである。地元の北海道旭川市の北海道御神乗太鼓(ほっかいどうごじんじょだいこ)は、平成8年本家本元である石川県輪島市の御陣乗太鼓保存会に直接指導を仰いだもので、その後の研鑚の腕を披露した。つづいては傘踊りの4団体が次々に登場してきた。まずは鳥取県鳥取市の因幡(いなば)傘踊りである。きらびやかな図柄で長い柄の傘を持ち、勇壮な踊りである。続いて北海道池田町の池田町(いけだちょう)傘踊りが登場した。これは鳥取県からの開拓者が因幡の傘踊りを伝承してきたものである。つぎは烏取県鳥取市からのしゃんしゃん傘踊りである。これは因幡の傘踊りを軽快なテンポで誰でも踊れるようにアレンジされたもので、鳥取県を代表する民俗芸能となっている。それを我が町のお祭りにも取り入れたいと申し出て、昭和59年から踊られるようになったのが、北海道深川市の深川しゃんしゃん傘踊りである。それぞれの踊りの披露の後、最後に4団体一緒での「しゃんしゃん傘踊り」の共演を行い、きらびやかな傘が舞台一杯に広がり、華やかさが会場全体に広がった。

2日目最後は秋田県秋田市の秋田竿燈(あきたかんとう)である。夜空に竿燈が浮かび上がり、力強くまたスリリングな演技で、会場の雰囲気が盛り上がったところでフィナーレとなり、この日の出演者全員が舞台に再登場し、二日目の終演となった。

 

 

 

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