ご挨拶
この度、社団法人京都當道会が、十年来推進いたして参りました、柳川流三味線の伝承・普及事業の一つの成果として、柳川流三味線特別演奏会を、日本財団のご協賛の下、京都府・京都市・京都府教育委員会・京都市教育委員会および京都新聞社のご後援を戴きまして開催させて戴くことになりました。
柳川流三味線は戦後50年の間に太棹にその場を譲り、昔日の面影を失う状態となりました。京都の発祥の三味線音楽の消失を憂い、検校や先達の残されたものを、次の世代の方々に伝承することが、この音楽文化を創り・残された方への私どもの努めと考えまして伝承・普及に励みました。
當道会におきましても、この認識のもと、伝承・普及に関心を持つ会員の方々が演奏に励み、徐々にその場を得て参りました。この機にあたり今までの十年の成果を演奏に示すべく、柳川流三味線特別演奏会を企画いたしました。私どもの会も世代交代の期にさしかかっております。この時期を乗り切り、次の世代の方々が、この柳川流の伝承・普及に励まれることを心より望んでおります。
皆様もなにとぞ会の趣意をご理解賜り、今後ともに宜しく御支援をお願い申し上げます。
平成12年 師走
社団法人 京都當道会
会長 津田道子