参考 海外赴任(在外赴任)
このことは、職場全体としてみれば、一部の人の問題でもあり、必ずしも単身赴任とは限らないでしょうが、上に述べたことと関係することもありますので、簡単にふれておくことにします。
海外生活に伴うストレスということもよくいわれますが、これもその生活する場所によって大きな差がありますので、細かく述べると切りがありませんから、ここでは一般的なことだけにとどめておきます。
海外生活の中でのストレスで大きいものとして、よく言葉のことが挙げられます。確かに、コミュニケーションが不十分であるというのは大変なことですし、ストレスになり得るとは思いますが、実はアンケートの結果などを参考にしてみると、海外生活の中で、いわゆるノイローゼ気味になる人というのは、現地での生活、生活習慣になじめないというのが、一番大きな原因のようです。当たり前のことですが、そこは日本ではないのですから、いつまでも日本での生活や習慣を引きずっていては、どうにもなりません。「ここは日本ではない」という当たり前の認識を早く持つことにつきます。食事のこともよく取り上げられますが、日本食にこだわらない人ほど、在外生活に強いというのも当然といえば当然ですが、個人差がありますから、段々に慣れていけばいいのではないかという意見もあるようです。考えてみれば、国内での転勤でも東京から他の都市へ移って、海外赴任ほど極端なことはあり得ませんが、程度は別として同じようなことはあるかもしれません。
海外生活では、特に単身赴任の場合は、両方のストレスが重なるということが考えられます。細かいことや具体的な対応などは別の機会ということにして、一つだけ挙げておきたいことがあります。
先ほどの海外生活者の何がストレスになるかというアンケートの中に、日本人社会の中での付き合いというのがあり、一般的な日本人同士の付き合いはともかくとして、海外での職場体制というのは、ある意味では極めて閉鎖的であり、日本国内以上に上下関係がはっきりしているともいえます。
