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〜日本太鼓スペイン公演〜

集まった4000人のバルセロナ市民を魅了

 

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(カザルスホールで演奏する御陣乗太鼓)

 

バルセロナ日本総領事館よりバルセロナ市において毎年開催されるメルセー祭で、日本の伝統文化である日本太鼓の出演要請が当財団にありました。このメルセー祭を中心とした公演に当財団として初めて石川県御陣乗太鼓保存会(池田庄作代表以下6名)、大分県ゆふいん源流太鼓(長谷川義代表以下5名)の伝統太鼓と創作太鼓の2チームを9月21日から29日にわたって派遣いたしました。なお、本事業は日本財団の支援により設置した太鼓ファンドを活用して行いました。

23日の初日の公演は著名なチェロ奏者カザルス氏の故郷であるベンドレル市で行いました。当日、地元のサッカーチームの試合がテレビ放送されるため、市民はほとんどがテレビに釘づけになり、外出をしないと聞いていました。しかし、開演前には会場は満員で立見の観客まで出ていました。なかには、会場に入りきれず、仕方なく会場を去る人もみられました。

25日のメルセー祭の野外特設ステージでは、4000人以上の観客が集まり、太鼓の響きと軽快なリズムに熱狂した観客が口笛を吹き、足を踏鳴らして太鼓の演奏を歓迎してくれました。

また、バルセロナの日本の子供たちに日本太鼓を紹介するため、バルセロナ日本人学校で太鼓を演奏し、演奏後は太鼓教室を開きました。生徒達や学校関係者から大変喜ばれ、生徒達がお礼に合唱を披露してくれました。また、本校ではすでに教育の一環として太鼓を注文しており、今後の太鼓指導に役立てていきたいととても感激していました。

今回の公演では、テレビ1社、新聞2社の取材がありました。

 

<派遣メンバー>

■御陣乗太鼓保存会

代表:池田庄作、境秀男、隅谷三郎、中村孝、浜高元一、脇本哲也

■ゆふいん源流太鼓

代表:長谷川義、河野勝己、佐藤貢一、堀江利彰、佐藤美保

■(財)旧本太鼓連盟

塩見副会長、浅野理事、秋田事業課長、長谷川係員

 

<公演日程>

9月23日(土) カザルスホール公演

24日(日) メルカット・ダ・ラス・フロレス(市営劇場)公演

25日(月) メルセー祭野外特設ステージ公演

26日(火) バルセロナ日本人学校公演

 

スペイン公演を終えて

ゆふいん源流太鼓 佐藤美保

まだ残暑の感じられる秋空の9月、「御陣乗太鼓保存会」と私たち「ゆふいん源流太鼓」の一行は、バルセロナへ向けて出発しました。

4日間の公演の中で特に印象的だったのは、2日目と3日目でした。

2日目の会場「メルカット・ダ・ラス・フロレス」は、歴史を感じさせる外観とはうって変わって、近代的設備の整った内装で、厳しい傾斜の客席から見下ろされる威圧感に今までにない緊張の中で演奏したのを覚えています。

3日目は、今回の公演の中で一番のメイン「メルセー祭」です。住宅街の中心に作られた特設会場は、身動きできないほどの人だかりで、観客を巻き込んでのフィナーレは会場が一つになった瞬間でした。

どの公演でも、客席総立ちで惜しみない拍手をもらいました。バルセロナの人々が、どのように日本人を、また、日本の太鼓を見、感じてくれたのかわかりませんが、その拍手が答えだったと思います。

私にとって貴重な海外演奏に参加できて誇りに思うと同時に、伝統太鼓の代表とも言える池田庄作副会長と御陣乗太鼓の方々と共に公演ができ、様々なことを学ぶことができました。このような機会を与えて下さったことをとても感謝しています。この体験を無駄にせず、これからも一層精進していきたいと思います。最後に、お世話になりました財団の皆さん、総領事館をはじめとする関係各位の皆さん、本当にありがとうございました。

 

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(メルセー祭の野外ステージで演奏するゆふいん源流太鼓)

 

 

 

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