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大会を終えて

 

当財団主催による「第2回日本太鼓全国障害者大会」が日本財団の助成事業として、6月17日静岡県御殿場市の市民会館ホールにおいて、主管である社会福祉法大富岳会並びに静岡県太鼓連盟の協力のもと、厚生省、文化庁、静岡県等のご支援を得て開催いたしました。

2年連続して主管を依頼した富岳会では、25年前から知的発達に障害を持つ方々の補助セラピーや自己表現の手段として、太鼓による療育活動を実践し、今日まで大きな成果を挙げております。

本大会は、この成果に賛同し、日本太鼓を通じて障害者の自立心の向上を図り、心身の健全な育成を目指すことを目的に行われたものです。今回は、療育的な見地から日本太鼓に積極的に取り組んでいる知的、身体、聴覚に障害を持つ太鼓団体14チームが一堂に会し、代表者の体験発表と演奏会が行われました。

各チームの発表は、自分たちが厳しい状況下にありながらも太鼓との出会いにより勇気づけられ、友情が生まれ、生き甲斐をみつけるまでの経緯など真撃な語り口が印象的でした。また、太鼓演奏はチームが一体となり、中には健常者と変わらないバチさばきと個性的な演奏技術を披露し、そのひたむきさにホールを埋めた約1,000名の観客が大きな感動を受けました。終了後は各方面で大きな反響がありました。障害者太鼓チームの出演要請がある一方、介護福祉、社会福祉の授業を取り入れている学校並びに福祉施設の関係者の方々から、次回は是非日本太鼓の療法を間の当りにしてみたいとの声が多くありました。このため、今後は幅広くこれら関係者に呼びかけていく所存であります。

本報告書は、このたび富岳会が中心となって作成したもので、ご一読いただければ、日本太鼓が補助療育として障害者に対して効用があることがご理解いただけると存じます。

今後とも日本太鼓に対してご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

平成12年7月

財団法人 日本太鼓連盟

 

 

 

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