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藤沢市民オペラ経歴・今回公演内容紹介

 

1973…第1回藤沢市民オペラ公演・モーツァルト作曲「フィガロの結婚」

1979…第4回藤沢市民オペラ公演・三枝成彰作曲・委嘱創作オペラ「竜恋譜」

1983…第8回藤沢市民オペラ公演・ロッシーニ作曲「ウィリアム・テル」日本初演

1985…第10回藤沢市民オペラ公演・ヴェルディ作曲「アイーダ」…第10回音楽の友社賞受賞

1990…第12回藤沢市民オペラ公演・グノー作曲「ファウスト」…神奈川文化賞受賞

1993…第14回藤沢市民オペラ公演・プッチーニ作曲「トゥーランドット」…第2回三菱信託音楽賞、第22回ジロー・オペラ賞受賞

1998…第16回藤沢市民オペラ公演・ワーグナー作曲「リエンツィ・最後の護民官」日本初演…毎日芸術賞特別賞受賞

 

藤沢市民会館の舞台に、数々の歴史を刻んできた藤沢市民オペラが2000年という区切りの年に、新たな世紀と世代に向けて、初の原語上演(イタリア語上演)に挑みます。

指揮は、この地・湘南に育ち、今や世界中のオーケストラから引っ張りだこの若き巨匠・広上淳一。

演出は日本オペラ界の最高峰・栗山昌良。畑中良輔総監督のもと藤沢市民オペラゆかりのベテラン・中堅の歌い手と藤沢オペラコンクールで楽壇に羽ばたいた俊英たちが織りなす永遠の名作…「ラ・ボエーム」

 

舞台は19世紀半ばのパリ。

貧しい芸術家の卵たち(ボヘミアン)の生活ぶりを背景に、若い恋人たちの純愛をテーマにした青春の光と影の物語。

 

第一幕はアパートの屋根裏部屋。画家マルチェロ、詩人ロドルフォ、音楽家ショナール、哲学者コルリーネは貧しい共同生活を送っている。臨時収入のあった4人組は家賃支払いを迫る家主ベノアを撃退、意気揚々街へ繰り出すことに…ひとり書きかけの原稿を仕上げるために残ったロドルフォは、消えたロウソクの火を求めに来たお針子ミミと、暗闇の中で手が触れ合い、恋に落ちる。月明かりの中、寄り添って街に出ていく二人。

 

第二幕は藤沢市民オペラの真骨頂ともいうべき大合唱で繰り広げるクリスマス・イヴのカルチェラタンの賑わい。カフェ・モミュスで食事をはじめた5人の前にマルチェロの昔の恋人ムゼッタが老紳士アルチンドロと現れる。初めは無視していたマルチェロもやがて嫉妬の炎に身を焦がし、遂には彼女とのよりを戻す。ムゼッタはパトロンにカフェの支払いを押しつけ皆と雑踏の中に消える。

 

第三幕は雪模様のアンフェール門税関。夜明け近く、病のミミは酒場に住み込むマルチェロを訪ね、近頃冷たいロドルフォのことを相談する。ロドルフォが酒場から出てきたので物陰に隠れるミミ。「貧しい自分には病弱なミミをどうすることもできない」と打ち明けるロドルフォの話を立ち聞きしたミミは愛する彼のためにも身を引こうと決心、辛い別れとなる。一方酒場では浮気なムゼッタとマルチェロがけたたましく罵り合いとなる。

 

第四幕は再びもとの屋根裏部屋。恋人と別れたロドルフォとマルチェロは過去を懐かしむ。…とそこへ瀕死のミミを連れ込むムゼッタ。愛するロドルフォのもとで死にたいというミミのため、皆はそれぞれに薬を求めて部屋を出ていく。かたく抱き合う二人。いったんはマフを手に喜ぶミミだったが、やがて、その手からマフが落ちる。ただならぬ気配に異変を感じたロドルフォはミミのベットに駆け寄り泣き崩れ、幕となる。

 

 

 

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