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NO.2

長野犯罪被害者支援センターだより

発行/平成12年8月1日

発行責任者/筒井健雄

発行所/長野犯罪被害者支援センター

 

広げよう支援の輪、課題はネットワーク作り 事務局 玉木一成

 

豊川老夫婦殺傷事件・西鉄高速バスジャック事件と続く凶悪事件、加害者と被害者を結びつけるものは何も無い。加害者の一方的で身勝手な衝動的殺人、悲嘆にくれる被害者の遺族、少年によって引き起こされる事件とはいえあまりにも惨い事件に心が痛みます。

加害少年たちに「人の命を奪う」と言う事の重大さに気付いてほしいし、家庭や学校教育の中で命の尊厳について考えてほしいと思います。

自分の目の前で最愛の妻を殺傷され自らも少年によって傷つけられた初老の男性、幼い少女を人質に老女を殺傷し、次々と女性だけを傷つけていった少年、無抵抗の弱者でと向かう凶器の刃、この恐怖に曝されつづける被害者のこころの傷が、何時癒されるのかと思うと被害者支援者として心痛の極みです。

私たちのセンターに寄せられた相談の中にも憤激に身震いするような事件があります。障害をもつ女性の弱みに付けいって繰り返し行われる性被害、恐怖に耐え切れなくなった被害者はその逃げ道を両親への暴力と言う形をとって恐怖からのはけ口としてしまいます。

母親の悲痛な訴えは電話を通して相談員の胸に重く覆い被さって来ます。

支援活動にかかわる者にとっても、支援組織にとっても真撃に取り組むと共に、被害者・家族を同時にサポート出来るネットワーク作りが今後の大きな課題です。

被害に遭われた方に隣人として寄り添い、一日も早い被害からの回復・社会的名誉の回復・被害者としてのあらゆる権利の尊厳・公的制度による被害者保護の確立を求めます。

私たちは、被害者の基本的人権を尊重します。

一、公正な処遇を受ける権利

二、情報を提供される権利

三、被害回復の権利

四、意見を述べる権利

五、支援を受ける権利

六、再被害からまもられる権利

七、平穏かつ安全に生活する権利

被害者の権利宣言(一九九九・五・十五)の実効を確かなものにすることを、被害者支援活動の基本として諸活動を進めてまいります。

 

長野犯罪被害者支援センターのロゴマークについて

会長 筒井健雄

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このロゴマークは「理想と志は、信州の山のように、あくまでもいや高く、慈悲と博愛の精神は故郷信州の川のように、あくまでもいや遠しとする。」という意味を象徴するものです。この背後には、また県歌「信濃の国」と唱歌「故郷」があります。SupportのSとCenterのCからなる「川」は大きな手のようにVictimのVを支えているというイメージを示しています。英語ではNagano Victim Support Centerとしました。製作に当たっては、信州大学教育学部の学生木下光三氏他関係者のご協力を賜りました。

 

 

 

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