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この悲惨な事故の一連の報道をみていると、「8歳の女の子が奇跡的…」と子供が操船して入港したことに視点が向いて、3人の親子がなぜ行方不明になってしまったかという本質的視点での掘り下げがなかったことと、取材時に私が声を大にして「救命胴衣の常時着用の必要性」を訴えたのが5秒ほどしか放映されなかった不満もあり、ここで私の考えのポイントを記すこととします。

 

まず考えたこと

1つ目は、私が常に唱えている「救命胴衣(衣)の常時着用」のことです。この事故では子供さんが救命胴衣を着用さえしていれば、お父さんが慌てて飛び込む必要がなく、モーターボートを近づけて救助できただろうということです。

2つ目は、比較的大きなモーターボートのようなので、救命浮環など救命設備が必ず搭載されているはずであり、お父さんがそれを投入または抱きかかえて飛び込めば、両親までもがこのような悲惨な結果にはならなかったのではないかということです。後者については、気が動転したためと言ってしまえばそれまででしょうが、根底には救命浮環などが備えてあることの意識が無いこと、すなわち万一に備えての危機意識がなかったという正に商船や漁船とは違ったレジャー感覚の欠陥が出たものと思ったことです。

前者については多くの問題があるので次項で述べましょう。

 

救命胴衣(衣)常時着用のすすめ

1 海中転落の実態

平成11年の船舶から海中転落者の状況は別表のとおりです。

 

表 船舶からの海中転落者数(平成11年)

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海中転落者の総計は215人で、そのうち死亡・行方不明になった人は169人(約8割)にのぼっています。漁船が飛び抜けて多く死亡・行方不明者が107人、次いでプレジャーボート等が23人となっています。漁船では比較的小型の漁船からの海中転落が大半を占めています。

救命胴衣(衣)の着用状況については、手元にある漁船に関する調査では(平成5〜10年)、海中転落による死亡者数405人中、救命胴衣を着用していなかったのは387人と、ほとんどの人(約95.5%)が着用していません。

 

 

 

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