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5. 国家地図資源情報庁(NAMRIA)について

NAMRIAの組織図を図2に示します。水路測地部を含めて5部あります。

NAMRIAの組織はCGSD以上に私にはわかりません。なにしろ私がフィリピンに赴任してからこの半年間でNAMRIA本部を訪れたのは赴任の挨拶と長官交代の時とミニッツ調印式の3回だけです。

 

6. 活動現場と業務内容

私は「電子海図作成技術移転計画」の個別専門家として1999年11月25日にフィリピンに赴任しました(派遣期間2カ年)。

電子海図とは船のカーナビ(シップナビというべきか)みたいなものです。データはCD-ROMに納められており計算機を介してディスプレイに表示されます。予め設定した航行コースから逸脱したり、前方に障害物や浅瀬がある場合には警報を発するなど、カーナビより優れた機能も有しています。日本水路部は世界で最初に電子海図を刊行しました。東南アジアではシンガポール・韓国が電子海図を刊行し始めています。CGSDは約200種類の紙海図を刊行していますが、電子海図についてはようやく緒についたところです。そこで、3年間でフィリピンCGSDが電子海図を刊行できるよう、電子海図作成のための機材をCGSDに導入し、日本から講師を派遣し、CGSDの職員に日本で研修を受ける機会を与える、ということがミニッツの3本柱です。

私は水路部OBの岡田さんと一緒に派遣されてきましたが、これは、今は個別専門家としての派遣であるが、近いうちにチーム派遣に衣替えするという前提で、とりあえずの形という触れ込みでした。NAMRIA長官とJICAフィリピン事務所長とでミニッツを結び、チーム派遣に編成替えしようというもくろみでしたが、ミニッツが署名されたのは6月15日、つまり赴任6ヵ月半後でした。ミニッツが結ばれて、やっと供与機材の契約事務が動き始めました。供与機材のフィリピン到着は早くて11月半ばです。

したがって、この半年間は、CGSDの一角に部屋を与えてもらい、ほぼ毎日通っていましたが、もっぱらE-メイルによって日本水路部とJICAフィリピン事務所との間でのミニッツ案の内容確認や詰めの調整を行っていました。

 

 

 

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