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編集後記

 

○前号で、横浜能楽堂で行なわれたマイクなしの吟詠について書きましたが、マイクなしといえば、毎年行なわれる少壮吟士夏季特別研修会の舷川利夫先生の吟詠研修もマイクは使用しません。会場となる東京・深川のホテルB&Gの会議室は一〇〇人ほどがスクール方式でゆったりと座れる広いところです。舷川利夫先生は会場のうしろ、いちばん遠いところから吟詠を聞きながら注意を与えます。あるとき、「あなたの声は後に響いていますよ。後を向いて、黒板の方に向かって吟じてみてください。」と言われたことがありました。実際、後を向いて吟じてもらいますと、前よりも、ずっと大きく響いて聞こえたのです。そこで、舷川先生はその方の声が前に響くように姿勢などを矯正されたのですが、それはまさに、発声が身体全体の共鳴であることを体験するひとこまでした。余談となりますが、ある葬儀のお坊さんのお経を聞いていて感じたことですが、会場全体に響きわたるすばらしいお経でしたが、そのお経はどう聞いても、お坊さんの背中から聞こえて来るのです。この場合は、後へ響く共鳴がうまく利用されている例といえるのでしょうか。

○一月二十四日、財団顧問で吟道清風流清吟堂吟友会宗家の吉岡清風先生(享年八十七歳)がご逝去されました。また、二月六日には財団元老で青柳流詩舞家元の青柳芳枝先生(享年八十五歳)がご逝去されました。お二人とも、二十一世紀の息吹をその肌で感じて逝かれたことがなによりであったと思います。昨年暮、それぞれ場所は異なりますが、両先生には直接お会いすることができ、親しくお話も、握手もしていただいたことを考えますと、まだまだ、がんばっていただけたのではないかと残念でなりません。両先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。(矢萩保三)

 

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水六訓

一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。

一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。

一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。

一、自から清く他の汚を洗い清濁併せ容るの糧あるは水なり。

一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。

一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霞と化してもその性を失わざるは水なり。

水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。

笹川良一

 

 

 

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