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編集後記

 

○昨年の暮、横浜能楽堂で行なわれた桃山流みやこ舞の舞台を鑑賞しました。公演は詩舞と舞楽が主体で、能舞台ということから吟詠はマイクなしで吟じられるということを聞き興味をもちました。満員の盛況でしたので、客席からの騒音を心配しましたが、格調高い能楽堂の雰囲気と会場が暗くされたことから、観客のマナーも守られていました。吟詠はカラオケで吟じられましたが、雅楽の演奏とあわせて詠われた歌(朗詠)とを比較しますと、会場に合ったバランスの良さという点で雅楽の方が優っていたように感じました。それは、雅楽が鏡板(松羽目)を背負うようにした位置で演奏、詠われたのに対し、吟詠は本舞台を斜めに横切るような位置で吟じていたことから、音響板ともいうべき背景が無かったことが原因のように思いました。吟詠の伴奏も生(なま)が良かったかも知れません。正月のテレビ番組で、解体される能舞台を見る機会がありました。本舞台の縁の下ともいうべきところに、舞台上の反響を助けるかのごとく、開口部を上にした大きな甕(かめ)が幾つも吊り下げられているのには、たいへん驚きました。マイクなしの発声や能楽堂の中に隠されている音響装置など、学ぶべきところは尽きないと感心しました。

○最近のニュースで「お灸を据える」という言葉に反対する意見があることを知りました。「灸を据える」には灸をする意味のほかに、叱るとか、懲らしめるという意味があることで、穏当を欠く言葉だからということで排斥してしまおうということでしょうか。昔、両親が鍼灸治療に携わっていたことから「お灸」とか「お灸を据える」という言葉を身近に感じていましたが、何処がいけないのでしょうか。叱ったり、懲らしめることの代用としての「お灸を据える」には、お灸自体の持つ治療効果も考えてのことと考えたら、たいへん適当な言葉であると思うのですが。

(矢萩保三)

 

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水六訓

一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。

一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。

一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。

一、自から清く他の汚を洗い清濁併せ容るの糧あるは水なり。

一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。

一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。

水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。

笹川良一

 

 

 

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