日本財団 図書館


漢詩初学者講座 伊藤竹外

吟詠家に漢詩のすすめ―(二十五)

 

013-1.jpg

伊藤竹外先生プロフィール

愛媛漢詩連盟会長、(16吟社、会員200名、毎月指導、添削)、六六庵吟詠会総本部会長(吟歴58年)、財団公認愛媛県吟剣詩舞道総連盟理事長、財団法人日本吟剣詩舞振興会理事

平成5年 文部大臣地域文化功労賞

平成8年 財団吟剣詩舞大賞功労賞

著書 豫州漢詩集(編著)、南海風雅集(編著)(2版)、漢詩入門の手引き(9版)他。

 

一、できるできないより先ず始めよう

この漢詩のすすめの読者層及び投稿者は、既に数十年の作詩歴を持たれる方の他、吟詠会に席を置いて作詩を学びつつありながら良き指導者を得ないで独り苦吟している者、更には作詩の必要性を認めながらもむつかしいものと敬遠している人も多いようです。

冒頭の言葉は或るベスト・セラーになった著書の引用ですが更にその中に

○始めるのに遅すぎることはない

○成功はゴールでなくスタートである

○わからないというのは解るまで続けないからである

という言葉がありました。作詩を勉強しようと思う人達に贈りたい言葉です。

今、全国の吟界で作詩に努力している人達は百分の一ぐらいのものと推定されますが、もう少しパーセンテージを上げたいのが私の念願であり、その為に添削に指導に日夜東奔西走して愛媛県では十六の吟社が吟詠会から生まれ、月例詩会を開き、それぞれの吟社で毎月詩集を刊行して勉強を続けています。

全国各地の吟界でも指導者が中心となって同好者を募(つの)り吟社を興したならば漢詩界の前途は洋々たるものとなり、吟界の中でも一騎当千の人材が輩出して今後、詩心表現への道が拓けるものと期待してやみません。

 

二、作詩の規則は簡単

作詩がむつかしいと思うのは平とか仄とかを規則に合わせて組み立てるのがめんどうで煩わしいと思う人が大半です。

実は規則といっても七言絶句では各句、二字二字三字の句法を守ること以外に(一)押韻、(二)二四不同、(三)二六對、(四)四字目の孤平をさける、(五)下三連を禁ずというたった五つの規則にすぎません。投稿者の方々はこの規則をよく守っていますが、時には間違える人もいます。

013-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION