第5章
まとめ
1. UIターンの国土政策における位置づけ
「21世紀の国土のグランドデザイン」(平成10年3月閣議決定)は、多軸型国土構造の形成を長期構想として掲げ、多様な主体と地域間の連携により、「多自然居住地域の創造」、「大都市のリノベーション」、「地域連携軸の展開」、「広域国際交流圏の形成」の4つの戦略を展開していくこととしている。
これら戦略の具体的な推進方策として、平成11年6月、「21世紀の国土のグランドデザイン戦略推進指針」がまとめられたが、国土庁のUIターン支援プロジェクト事業は、同指針の国の行っている施策例に掲げられ、次のように“施策の概要”が述べられている。
「UJIターンに関するシンポジウムを開催し、UJIターン促進の気運を醸成する。各自治体のUJIターン担当者によるワークショップを開催し、ノウハウの共有化を図る。UJIターン希望者等の必要としている情報の提供やPRを実施するとともに、情報提供システムの強化を行う。」
国土庁は、平成13年1月の省庁再編で、その大部分は、運輸省、建設省とともに、新設の国土交通省を構成することとなったが、過疎対策を所管する地方振興局過疎対策室は、総務省自治行政局過疎対策室となることとなった。しかし、そのことによってUJIターンについての政府の施策は、格別に変更をされることにはなるまい。
2. アンケート結果についての平成8年度国土庁調査との比較
過疎対策についての年次報告ともいうべき「過疎対策の現況」が、「UJIターン」について、項目を設けて記述を始めたのは、平成9年6月の平成8年度版からである。平成10年7月の平成9年度版、平成11年7月の平成10年度版にも同様の記述がある。
それらで掲げられている調査結果としては、平成8年度に国土庁が実施した「農山村地域における居住促進と農村活性化に関する過疎地域におけるアンケート調査結果(過疎地域市町村1,208のうち896から回答)」が、くりかえし用いられている。すなわち、次の4つの表である(表1〜4)。