VII. 看護について
「健康とは単に病気あるいは虚弱ではないというだけではなく、肉体的、精神的、社会的に全ての面で良好な状態を指す」−。これは世界保健機関(WHO)が打ち出している健康の定義です。
頭痛や腹痛などの体調不良を訴えてくる子の中には、単に薬を渡せば症状が改善するというわけではなく、心の問題から慢性的に症状を訴えて来るという場合があります。
心の問題は身体にも影響してきます。表面的な症状だけにとらわれず、心理チーム、医師、生活チームと連携を取りながら、継続した対応が必要とされます。
生活観、健康観は育ってきた環境、教育によって大きく異なってきます。
こどもL.E.C.センターでの生活を通して、子どもたちが自分自身の身体・心と向き合い、より健康的な生活を送れるように援助していきたいと考えています。
看護業務の実際
○健康観察カード
健康状態の把握と、子ども達が自分自身の体調について目を向けるきっかけとなるよう、子ども達自身に毎日記入してもらいます。
○身長・体重測定
成長の記録、栄養状態の把握のため、月に一回実施します。
○定期健康診
年に2回、嘱託医により実施。年度始めの健診については、学校における定期健康診断の項目に準じて行っています。
○投薬管理
こどもL.E.C.センターでは、心が不安定な状態、なかなか寝付けず生活リズムが昼夜逆転している場合など、必要に応じて精神科医より薬が処方されます。処方された薬がきちんと服用されるように、また内服による効果、副作用の有無を確認し、ドクターとの連絡調整を図ります。
○通院
受診を必要とする際には付き添い、病状を把握し、投薬や生活上の注意点などについて、他スタッフヘの報告・指示します。また継続的に観察を行っていきます。
○健康教育
月に一回程度、教育プログラムの一環として授業を行います。
○生活
L.E.C.センターでは看護婦も生活スタッフの一員として子どもと関わっていきます。
食事、入浴など日常生活の出来事のなかで、ふと湧き出てくる身体や体調に関する悩み、疑問にその都度対応しています。また、生活を共にすることで気づいた点については、個人的に保健指導を行っています。