はじめに
本書は、(社)日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)が、関係各国諸機関ならびに会員各位の協力のもとにアセアン8ヶ国の物流・通関事情を調査した結果を、業務マニュアルとして利用し易いように取りまとめたものである。
広くアジア諸国の輸送環境については、当協会が(財)日本船舶振興会の助成金に拠って実施した初めての実態調査を「業務マニュアル−諸外国の物流・通関事情−(アジア編)」に編集して1996年3月に発刊している。
それから5年という時間が経ち、アジア諸国は大きな変貌を遂げた。わけても今回の調査の対象としたアセアン地域は、経済圏としてのつながりを日増しに深めており、それに伴ってグローバル企業の多くが同地域に進出して、域内における物流と資金運営のコントロールや世界各地への製品供給の拠点とする傾向が目立つようになってきている。アセアン諸国の側でも、自ら社会的インフラストラクチャー及び外資受け入れの法的環境を更に(あるいは徐々に)整備しようとする動きが見られ、日系企業のアセアン諸国との関連はますます強まっている。
このような状況の中で、域内相互物流の簡便化・活性化を目指す協定が1998年にアセアン諸国により締結された。
そこで本書では、アセアン各国の物流・通関事情の調査に留まらず、上記の協定の締結を踏まえて、国境を通過する陸路輸送の現状についてもタイ国を中心に現地調査を2000年12月に実施し、それに基づいた報告をしているので、併せて日常業務の参考にしていただきたい。
本マニュアルは数多くの方々の献身的なご協力を得て完成させることが出来た。特に貴重な各国現地情報を提供いただいた下記各社(アイウエオ順)には深く謝意を表したい。
宇徳運輸(株) 山九(株) ジャパンインタモダルトランスポート(株) ジャパンスター(株) 鈴与(株) 東海協和(株) (株)トランスインドジャパン (株)日新 日本通運(株)
また、現地調査に当たって山九(株)および日本通運(株)の現地法人には格別なご協力・ご配慮をいただいたことに対し、ここに改めて御礼申し上げる次第である。
本書の編纂作業は(株)日通総合研究所に依頼した。時間的制約がある中で困難な作業を辛抱強く進めていただき深謝申し上げる。
本マニュアルがフォワーダー業界はもとより、海運、貿易、保険、金融など関連業界に働く多くの方々にも活用され、汎く公益に資する事となれば幸いである。
社団法人日本インターナショナル
フレイトフォワーダーズ協会
フォワーディング委員会